先輩は教祖らしい 壱 【童磨】

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『で、その伝言とは』



気になるのはその内容だ


全く嫌な予感しかしないのだが(汗)




「昼休み、この間のベンチで待ってるって」

『はぁ…』



なるほどね、そういう感じね


善逸を使って強制的に私を呼び出す作戦なんだあの人は。


でも困ったな…今日の昼はカナヲとご飯を食べる約束してたのに…


どうする？行く？それとも隠れる？


今日も休みだって設定にして雲隠れする…？




「なんか来ないと放送で呼び出ししてもらうって」

『げっ』




私が逃げようとしたのを見計らったかのように善逸は釘を刺す。


いや、お前どっちの味方？童磨先輩のこと嫌いなんじゃないの？なんで私の味方をしないんだ…


善逸を睨みつけると、何も知りませんみたいな顔で頭をポリポリ掻いている


ちぇっ。




『…わかった。ありがと』

「ねえ」



仕方がない、諦めて行こう、そう決めて私は教室に戻ろうとしたが、呼び止められたので私は振り返る


他人事みたいな表情から急にいつもの、私を心配する善逸の顔になっていた




「アイツとどんな関係なの？」

『えーっと…』



なんだ？


うーん。3日前のことを思い出す


「俺はAの笑った顔好きだよ」


先輩のあの言葉が蘇ってきて、顔が火照り、心臓がドクンドクンと跳ねる


ダメダメ！思い出したらダメ！！！




『本を譲りあった仲？かな？』

「ふーん」




誤魔化すように答えると、善逸は怪しい目で私を見る


お前それ本当か？そう聞いてきそうな…


…しまった


コイツ、音が聞こえるんだった。やらかした。


あまりにも恥ずかしくて、私は急いでその場を離れた


やましいことは何もないし、ただ喫茶店に行っただけなのに、逃げる必要はなかったんじゃ…？


余計に誤解されたんじゃないか…？



Aがそう悟るのはもう少し後の話である

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