伴侶は豚。

Episode 2-2 ページ20

白と茶色を基調としたワンピースに身を包む。
　決して目立つ色合いではないが、このファンタジーな世界にはピッタリで、町娘のような格好だ。




　可愛い……こういう服も憧れてたんだよね。







『ありがとう、トントン。』




「よう似合ってるで。」




『ちょっと着られてる感あるけどねぇ。私の故郷じゃあんま見ないタイプの格好だから…。』







　少し…いや大分コスプレ感出ちゃうし。




　そう苦笑気味に考えていると、トントンは目をぱちくりさせながら、疑問符を浮かべた。







「そういえば……Aってどこから来たん？ 格好といい世情の疎さといい、この辺のもんやないよな？」




『あ〜……まぁ……………東の方？』







　何と返せば良いのか。




　迷った挙げ句、適当な返事をしてしまい、案の定居心地の悪い沈黙が続く。




　豚頭だし、正確な表情は分からないけど…。怪訝そうな表情をしているのは察した。
　やめてくれ……イケメンのその表情を想像すると喉から肺が出る。







『と、トントンは？ 世情は詳しいし、通貨は持ってるし。この辺出身なの？』




「ん〜？ ちゃうで。」







　焦って話題転換をする。




　悪魔だし、出身とかあるのだろうかと後から少し後悔したが、トントンはそのまま続けてくれた。







「___昔ちょっとな。めんどくさい奴に連れられて。」







　めんどくさい、と言いつつも声音はどこか……いつも以上に穏やかだった。

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