Episode1-11 ページ13
『うまっ…！』
「それは良かった。」
本当に美味しい。イケメンで強くて料理上手だなんて、完ぺきじゃないだろうか。
気を遣ってご飯を作ってくれるあたり、性格も良い。
恵まれたもんだな……。
「ご主人、疑わないんすね。」
幸せいっぱいにシチューを頬張っていると、ふいにシニカルな笑みを浮かべながらトントンがそう言った。
疑う…？ 何を…？
私は、首を傾げる。
「俺は悪魔やで？ 悪魔が振る舞う料理なんて普通は食べへんやろ。」
『そうなんですか？』
「悪魔は、従うことを嫌う。早々に主人を殺して、現世を去るか、逆に主人を惑わせ従わせる。そんなんばっかや。」
『へぇ…。まぁ殺されるのは嫌ですけど……。命を救ってくれた人の料理を無下に付き返す方が、私は嫌です。』
トントンは、笑みを崩し、キョトンとした表情で私を見た。
「それをするくらいなら、従わされた方が良いって？」
『そっちのがマシですよ。』
私は、昔から、後悔を嫌った。何故嫌っているのかとか理由やきっかけは覚えていないけど、後悔による罪悪感で、その先憂鬱に苛まれたくはなかった。
命を救ってくれたのに、相手の地位や役職を理由に拒絶した、なんて。私じゃなくても、情のある人なら罪悪感や後悔が芽生えるはずだ。
例え相手が悪魔であろうとも。
私は美味しいシチューを食べ続けた。
その姿を唖然と眺めていたトントンは、突然抑えられないとでも言うように笑いを零し始める。
「あはははっ！ ホンマに面白いご主人やな！」
『そ、そんなに笑うことですか…？』
「いや、ごめん、試すようなこと言うて。こんな受け入れられるの、久しぶりやから……。」
悲しそうな表情で笑うトントン。
昔、何かあったのかな…。
トントンは、何かを思い出すように目を瞑る。
しばらくすると、吹っ切れたのか、よし！ と顔を上げると、口を開いた。
「素人で、良いご主人様のために、色々教えたるわ。」
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なと(プロフ) - 運命/パロありがとうございます…！イケメン好き主人公とっても好きです！設定への落とし込み方楽しみにしつつ次作読みます！ (12月3日 22時) (
レス) @page48 id: 325b0ea001 (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - ピット☆さん» 素敵だなんてっっ！嬉しすぎます！コメント、ありがとうございました〜！！m(_ _)m♡ (2022年2月10日 20時) (レス) id: e1502b08a4 (このIDを非表示/違反報告)
ピット☆(プロフ) - とても素敵な作品なのでこれからも頑張ってください！更新お待ちしてます！ (2022年1月29日 13時) (レス) @page48 id: 9c7661f737 (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - runvaさん» うわ〜〜〜！！！嬉しすぎます……！！！表現は特に試行錯誤したのでそう言ってもらえて良かったです♪励みになります！コメントありがとうございました〜！！！ (2022年1月2日 16時) (レス) id: e1502b08a4 (このIDを非表示/違反報告)
runva - 戦闘時の表現、設定の細かさ、内容の濃さ、どれを取っても良いものしかありませんねぇ！更新頑張ってください！続きが出るまでループしてます！ (2022年1月2日 0時) (レス) @page48 id: 409c60bc95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ランス | 作成日時：2021年10月12日 15時
