伴侶は豚。

Prologue ページ1

「やあ、こんにちは。」




　目を覚ますと、金髪の青年が視界いっぱいに映し出され、うわっと声をあげて勢いよく体を起こす。




　あたり一面真っ白な空間。




　ここは……どこ…？







「ここは狭間だ。」




『狭間…？』







　私の心を読んだかのように口を開く青年。彼は、シニカルに笑った。







　 、、、、、
「君の生きる世界と、俺が生きていた世界の中間地点。」




『………夢…？』




「ハハッ、そう思ってもらっても構わないゾ。」







　にわかには信じられんよな、と青年は目を細めて笑う。







『あの、貴方は…？』




「あぁ………そうだな。俺のことは、神か何かだと思ってくれ。」




『神様……ですか。』




「ふふ、大いに怪しんでほしい。用心深い人間の方が、好ましいしな。」







　そう言う青年の言葉に、はぁ…と曖昧な返事を返す。




　変な人…いや変な神様なのかな…。







「人間と対話をするのは久しぶりだ。俺も少し浮かれている。……だが、時間がない。」







　彼の赤い瞳が、何かを訴えるように、私を見た。







「突然のことですまないが、話を聞いてほしい。」







　思わず吸い込まれるような雰囲気。




　彼とは初対面なはずなのに、どこか温かく感じるのは何故だろう…。




　私は、意識せずとも、彼の言葉を待った。







「世界を救ってくれ。」




『世界って……貴方が、その、生きていた世界…？』




「飲み込みが早くて助かる。その通りだ。」







　彼は、私から視線を外し、真っ白な空間を見渡すように眺める。







「本当に時間がないな……。詳細を話している暇はないようだ。」







　眉を潜めながら、ケチめ……と愚痴を零す青年。
　再び私を視界に入れると、低い声で早口にこう言った。

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