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回想(告白)8 ページ14

降谷の運転する車の助手席に乗せられ、Aはオドオドとしていた。降谷の表情は固いままで、空気は正直重い。仕事を途中で風見に任せて出てきてしまったのだ、それで降谷が怒るのは当然である。


「降谷さん、警察庁に戻るんですか?」
「……いや。」


仕事に戻るのではないと答えて降谷はまた黙った。その様子にAは不安が募る。


「ふ、降谷さん、すいませんでした。」
「何が?」


降谷の冷たい言い方にAの肩はビクッとなった。


「中途半端な状態で業務を風見君に押し付けて退勤してしまいました。」


「本当にすいませんでした。」と頭を下げるAに降谷は「あ、あぁ…。」と曖昧な返事をした。その様子にAは首をかしげた。
降谷は眉を顰めて自らの前髪をクシャッと握ると、視線だけAの方に向けて言った。


「松田とデートだったのか?」
「デート?!デートっていうわけでは!たまたま警察庁のロビーでお会いして食事にということになりまして……って、それはデートか。」
「デートだな。」
「すみません…。」


Aは謝るとシュンと項垂れた。仕事を途中で放ってデートに行った事の罪悪感と、想いの人である降谷に成り行きとはいえ他人とデートしたことを言うという現状に落ち込んでいた。


「いや…、俺にAの私生活をどうこう言う資格なんてないか。」
「え?」
「ただの上司が口出すことじゃない。」
「あ、はは…。そう、ですよね。」


急にAは寂しくなった。そうだ、自分は降谷のただの部下である。Aが誰と会おうと何をしようと降谷には関係がないのだ。胸の奥が少し傷んだのを気付かないフリをして窓の外を見た。
こうして車で送ってくれるだけでもありがたい事なのだ。


(送って……?)


Aは改めて窓の外を見た。街中から離れて街灯もまばらになっていた。どうみてもAの家の方向ではない。


「降谷さん、何処へ向かってるんですか?」


Aの問いには答えず、降谷はおもむろに路肩に車を停車させた。周りには見事に何もない。ポツポツと街灯の光が見えるのと、ザワザワと聞こえる音は生い茂った木々のそれである。見事に郊外に出た。Aは少しだけ(殺人が起きそうな現場のようだ…。)と思ったが口に出さなかった。

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設定キーワード:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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Meiko - 更新再開願ってます!!! (10月13日 8時) (レス) id: 00ea3508d0 (このIDを非表示/違反報告)
エリ - 何回も読み返して、キュンキュンしています!もう、すっごく大ファンです☆更新楽しみに待っています!応援しています☆ (8月22日 17時) (レス) id: c752412248 (このIDを非表示/違反報告)
エリカ - もう更新されないのでしょうか?すごく面白いので楽しみにしています! (6月25日 13時) (レス) id: 68db288677 (このIDを非表示/違反報告)
まーみ - 更新待ってまーす。まだですかー。 (1月3日 6時) (レス) id: 68db288677 (このIDを非表示/違反報告)
ルート(プロフ) - うおおぉぉぉおぉぉ!!!一話から一気に読んできました!!本当に面白いです!大好きです!語彙力がなくて上手く文章にできないのか悔しいです!更新再開してくださるのを楽しみに、なん度も読み返しながら待っています! (12月23日 12時) (レス) id: e7cea7fca8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ライス | 作成日時:2018年3月26日 20時

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