緋色の交渉6 ページ24
「さっきコナン君に、安室さんに仲間外れにされていると言ったんですが。2年前、貴方に狙撃されて私は公安を去りました。公安を去る前に降谷さんには別れを告げられていたんですが…」
Aは窓の外を見た。今日は青空が広がっており日差しが窓の中に入ってきている。
「最近ひょんな事から再会できまして、また側に居られるようになったんですが、あの組織には関わるなと言われているんです。」
窓から目を伏せたAは再び沖矢に向き合った。
「それでは私は降谷さんを守れない。」
「私は降谷さんを守るためなら何だってします。」と、強い決意を真正面から受けた沖矢は深く息を吐くと先ほどAがしたようにソファの背もたれに背を預けた。
「それで私にどうしろと?」
Aは前向きな返答をした沖矢に多少驚いた表情をしたが、それは一瞬で真顔に戻った。
「降谷さんに貴方のことを黙っている代わりにFBIの情報をください。」
そう言われるであろうとは想像していたが、沖矢はそのダークグリーンの瞳をゆっくりと両眼とも開いた。コナンはずっと黙ったままである。
「それだけでは対等な取引ではない。加えて君の鑑識課という立場を利用させて貰いたい。それで50:50だろう。」
「………わかりました。」
交渉成立である。沖矢はハイネックの服をめくり首元にある変声機を外し、マスクを剥がした。Aは沖矢が赤井秀一に戻る様子を、手品を初めて見る子供のように目を丸くして見ていた。
ウィッグにより押さえられていた髪をクシャッと乱す赤井にAはすこし見惚れてしまったが、すぐに我にかえると呟いた。
「すっご…ルパンみたい。」
「怪盗じゃない、FBI捜査官だ。」
前髪を書き上げて言う赤井の顔を見ながらAはなるほど世良に目元が似ていると思った。赤井の正体がAにバレてしまったことにコナンは少し複雑な気持ちであった。そしてAとバチっと目があった。
「やっぱりコナンくんも人のこと言えないじゃん。」
「え?」
「うそつき。」
コナンとA二人で笑いあったのだった。
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chie(プロフ) - 毎回楽しく拝見させていただいています!続きも楽しみに待ってます! (2017年11月30日 0時) (レス) id: f0b8527a99 (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - かにのすけ。さん» ぉぉぉ!こういう降谷さん!!なんという嬉しい言葉!ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - 藍莉さん» 更新を待っていてもらえて凄く嬉しいです!!ありがとうございます!安室さん、こんなに主人公にベタ惚れで大丈夫かなと書いてて思います笑 更新頑張ります!! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - 雨令さん» 安室さんはポアロのエロいお兄さんというイメージですからね笑 良かったと言っていただけて嬉しいですー! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
かにのすけ。(プロフ) - これです!!こういう降谷さんが見たかったんです!!続き待ってます!! (2017年11月28日 18時) (レス) id: 53a735ef35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ライス | 作成日時:2017年9月10日 16時