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緋色の交渉4 ページ22

とりあえずコーヒーでもいかがですか?という沖矢の言葉に甘えてコーヒーを入れてもらった。ポアロで安室に入れてもらったコーヒーを飲んだばかりだったが、沖矢から受け取ったコーヒーに口を付けるとまた違った風味がした。
コーヒーカップを手にとって口元に持って行った沖矢を見てAは目を細めた。


「昴さん、今日は左利きなんですね。」
「え?」
「ほら、左手にカップを持っているじゃないですか。」


だから左利きでしょう?とAも左手に持ったカップを軽く上に上げた。「私も左利きなので。」と付け加えて。


「確かに、私は左利きですが、『今日は』とは?」


沖矢が尋ねると、Aは嬉しそうに笑うと、前乗りに身を乗り出した。


「だって昨日お会いした昴さんは右利きだったので。」


「小説を受け取った手は右手でしたよね。」と言うAに、コナンは眩暈を覚えた。昨日Aが訪ねて来たが直ぐに帰った。優作に何だったのか尋ねたところ小説を返しに来たが違うものを持って来てしまったのでまた持ち帰ったと言っていた。その奇妙な行動に不信感を持っていたのだ。利き手を見られていたとは。


「たまたまですよ。」


左利きだからと言っても必ずしも左手で物を受け取るわけではない。その程度の揺さぶりでは赤井は動じない。
「まぁ、そうですよね。」とAは言ってカバンの中かから透明のパウチに入った小説を袋ごと取り出しテーブルの上に置いた。その見慣れた透明の袋に沖矢とコナンは目を開いた。


「Aさん…その袋…」
「おや?コナン君、お目が高い。こちらは警視庁鑑識課の証拠品入れになります。」


通販をしているかのように戯けた物言いのAに対してコナンの顔が引きつった。まさか…。


「おかしいんですよねぇ。昨日この小説から採取した昴さんの指紋と、前にアパート火事の事件の際に頂いた昴さんの指紋、違うんですよねぇ。」


Aはソファの背もたれにゆったりと背を付けると両手を組んで膝上に乗せた。


「『沖矢昴』の中身は一体何人いるんです?ねぇ?赤井秀一さん。」


降谷を思わせる立ち振る舞いに彼女が彼の元部下だったことを思わせる。沖矢は口角を上げた。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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chie(プロフ) - 毎回楽しく拝見させていただいています!続きも楽しみに待ってます! (2017年11月30日 0時) (レス) id: f0b8527a99 (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - かにのすけ。さん» ぉぉぉ!こういう降谷さん!!なんという嬉しい言葉!ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - 藍莉さん» 更新を待っていてもらえて凄く嬉しいです!!ありがとうございます!安室さん、こんなに主人公にベタ惚れで大丈夫かなと書いてて思います笑 更新頑張ります!! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - 雨令さん» 安室さんはポアロのエロいお兄さんというイメージですからね笑 良かったと言っていただけて嬉しいですー! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
かにのすけ。(プロフ) - これです!!こういう降谷さんが見たかったんです!!続き待ってます!! (2017年11月28日 18時) (レス) id: 53a735ef35 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ライス | 作成日時:2017年9月10日 16時

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