探偵たちの夜想曲2 ページ38
沖矢宅のインターホンを押すが反応がない。留守なのだろうか。借りていたシャーロックホームズの小説を返しにきたのだが日にちを改めるしかないようだ。Aが帰ろうとすると、隣の家からなにやら騒がしい声が聞こえてきた。
「どーやって追跡する気なのよ!」
女の子の声だ。
「博士のビートル、今、修理に出してるんじゃなかった?」
「あ、あぁ…こーなったらタクシーに無理を言って追うしか…」
そういえば沖矢宅もとい工藤邸の隣には色々発明をしている博士が住んでいると聞いていた。その博士とコナン君とは仲が良いらしい。
「では私の車で追いますか?」
「す、昴君!!」
訪ねようとしていた人の名前が聞こえてきてAは思わず門越しに隣の家を除いた。寸胴鍋を持った沖矢がいた。女の子は、この前の火事の事件の時に見たことがある。コナン君の友達の灰原哀ちゃんだ。
「さぁ、追うなら早く」
「じゃ、じゃあ車のキーだけ貸しなさいよ!私と博士で追跡するから!!」
どうやら何かを追いたいらしい。切羽詰まった雰囲気を感じる、事件だろうか?
「貸してもいいんですが、あの車には癖があって私の運転じゃないと」
「だったらワシと昴君で追跡を…」
「えぇ、それでも構いませんよ。君が1人でここに残って、あの子の安否情報をやきもきしながら待っているつもりならね。」
沖矢が哀も一緒に来るように説得をしているようだが、小学生にかける言葉遣いではない。Aは「ふむ…」と様子を見る。
「よければ君も一緒に行くのをお勧めしよう。もちろん無理強いはしませんが。」
沖矢の言葉に怯えながらも一緒に行くしかないと思ったのだろう、哀が付いて行く意志を示した。ふと、そこで哀とAの目が合った。
「あ、あなた!」
「え?わたし?」
急に叫ぶように話しかけられてAはビックリする。
「おや?Aさん。」
沖矢が振り返ってAを確認すると、小さく首を傾げた。何故ここに?ということだろう。
「コナン君に借りてた本を返しに来たんですけど、お取り込み中だったみたいで…」
「出直しますね」と言いかけたところで、哀に引き止められた。
「あ、あなた!警察の人でしょ!?一緒に来て!!」
「え?」
「Aさん、コナン君が誘拐されたようで、今から追跡するです。」
「えぇ?!コナン君が?!」
Aは沖矢の運転する車の助手席に、哀と阿笠博士は後部座席に乗り込み、車を発進させた。
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風間 - アキさん» わざわざ突っ込む必要なくない?あなただってそうして 発砲 だとわかってるんだし。 (2022年8月11日 21時) (レス) @page19 id: b391deb645 (このIDを非表示/違反報告)
アキ - 『かなりの至近距離での発泡』・・・炭酸?『発砲』では? (2019年11月30日 18時) (レス) id: e7946caf9a (このIDを非表示/違反報告)
シイラ - 面白い!どんどん読めちゃいます! (2018年7月30日 7時) (レス) id: 768ba98b2e (このIDを非表示/違反報告)
ふなっしー - ふなっしー (2018年7月30日 7時) (レス) id: 768ba98b2e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - ういさん» はじめまして!この小説を見つけていただいてありがとうございます!執行されたらもう降谷さんから後戻りできないですよね笑 2周目!ありがたいです。何回読んでも読み応えのある作品が作れるように頑張ります! (2018年7月17日 21時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ライス | 作成日時:2017年6月1日 15時