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「……や、隣のクラスの子」
「あらそう。危ないからね、うちにいてもらうことにしたから。ちょっと仲良くしててね」

おばあちゃんがそう言って、ドアを閉めた。
しん、とした空気。
困ったような表情をした彼と、困っている私。

「………2組の、北斗くんだよね?」
「…うん。……1組のAちゃんだよね?」

それが、思い出せる限り。
はじめて彼と接点を持った日だった。




お父さんは出張で、お母さんはお兄ちゃんと買い物に行ってる。と、北斗くんは言った。
肩から下げてる白い袋、それ何?と聞くと「空手の」と短く返事が返ってきた。

「空手やってるの?」
「…うん」
「へえ、かっこいいね。……座ったら?」

パイプ椅子を指差して言うと、北斗くんはランドセルと袋を抱えて座った。

真っ黒な、柔らかそうな髪の毛と切れ長な目。鼻筋が通っていて、唇は薄い。
女子にそこそこモテるのに、どこか自信なさげで………人見知りって感じがする。

「北斗くんは買い物着いてかなかったの?」
「……空手、あるし。それに、兄ちゃんの修学旅行の買い物だから」
「へえ、修学旅行」

それを聞いて、北斗くんのお兄ちゃんは6年生なんだ。と、知った。
あの頃、6年生って何だかお兄さんお姉さんって感じがして憧れだった。

通学路ですれ違う、あかいリボンを胸元につけた制服姿のお姉さんとか。
学ラン姿のお兄さんとかに、憧れていた。

「私も早く6年生になりたいな」
「どうして?」
「中学生でもいいけど。早く大人になりたい」

もうかなり溶けたパピコを口に咥えて、冷凍庫に向かう。
さっき仕舞ったばかりの片割れを取り出して、北斗くんに渡すと「え、」と戸惑った声を出された。

「アイス嫌い?」
「すき………だけど、怒られる」
「晩ご飯前だからって?」
「うん。行儀悪いからって」
「空腹なのは、体に悪いよ。行儀より体のが大事でしょ」

そのまま彼の手のひらにパピコを乗せると、「……ありがと」と消えそうな声が聞こえた。
さっきまで空手をしていたというから、北斗くんは少し汗をかいていて………だからかアイスに口をつけたとき。嬉しそうに頬を緩めた。

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設定タグ:SixTONES , 松村北斗   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:こより | 作成日時:2021年9月15日 12時

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