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一度したからって、私達の関係は別に変わらなかった。

だけど、私がダメだった。
予定日を過ぎても生理が来ていないと気付いたとき、すぐに彼氏と別れた。

毎日カレンダーを見て、印をつけて………これが来月にまでいったら病院に行こうって決めていた。
北斗くんは変わらず、連絡をくれる。『風邪引いてない?』『元気?』そんな、ささいな連絡を何度も。
だけど私はそれに、返せなかった。
自分の下腹部に手を当てて、万が一のことを考えて。泣き出しそうになっていた。
きちんと避妊はしたはずなのに、あれは100%ではないから、どうしようと思うと苦しくなっていた。

決めていた日まで来ずに、家の近くの産婦人科にかかって、問診票を渡されて『妊娠の可能性はありますか?』その欄に、『はい』をつけたとき。
近くにいた妊婦さんが、付き添いの旦那さんと楽しそうに話してるのを見て私はトイレに駆け込んで泣いた。


「来週あたりにくると思いますよ」
「……え?」
「元々不順でした?今回はストレスとかあったのかな」


腹部にゼリー状の何かを塗られて、エコーをした。そしたら、呆気なく妊娠してないなんて言われて………残念に思った。
分かるまで不安で仕方なかったのに、北斗くんとの子がいないってわかって、残念だと思った。そんな自分の都合の良さに、涙が出た。



それから少しして、北斗くんはあの6人でグループを結成した。

私はニュースでそれを知っていたけど、彼からの報告のメールに、まるで初めて聞いたことのように「おめでとう」って返信した。
そしてそれからひと月経った頃に、また北斗くんと会って。
あの日も何故か、「彼氏とはどう?」なんて聞いてきたから。正直に別れたよ、って答えた。
そうしたらまた、抱かれた。

数ヶ月前のことを言えば、北斗くんはきっとそんなことをしなかっただろうけど………私は言えなかった。
彼とそういうことをすることが、嬉しいと思っていたから。その瞬間だけ、私だけを見てくれる。私でいっぱいになってくれる。
たくさんのファンがいて、多くの人に愛を囁いてるこの人が、私だけを見てくれる。
汗をかいて鬱陶しそうにかきあげる髪だとか、骨ばった指だとか、全部愛おしくて仕方なかった。全部、欲しくなった。
だから、言えなかった。

…………だから、もう会えないと思った。


.

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設定タグ:SixTONES , 松村北斗   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:こより | 作成日時:2021年9月15日 12時

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