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北斗くんがお土産にくれたディズニーのキャラクターがいる、キーホルダー。
あれも本当に嬉しかったんだ。

でも同時に、すごく惨めな気持ちになっていた。
北斗くんは、すごく大切に育てられてるんだろう。それが伝わる。彼の人柄だとか、やわらかさだとか、純粋さから。
それと自分を比べて、勝手に苦しくなったりしていた。
連絡を取る度に、彼がどんどん世界に染まっていくのが分かるんだ。
ゆっくり、茶畑を眺めて「そろそろ収穫かなあ」なんてのほほんと笑っていた北斗くんは、東京の満員電車に揉まれて敷き詰められたスケジュールで身動きが取れなくなっている。

彼が初めて本格的に属したグループは、去年の秋に事実上の解体されていた。
テレビに映る、何度も見た二人の男の子を観て……何で、北斗くんのこと置いてっちゃうのと理不尽に思った。
傷付いたんだろうな、と思って苦しくなった。なのに、彼はぎこちないなりに新しい環境に溶け込んで行っていた。
あんなに羨ましくて苦しかった北斗くんの純粋さが、どんどん染まっていく度に悲しくなった。
確かに羨ましかったけど、私は北斗くんのそれを無くしてしまいたいなんて思ってはなかった。

流れっぱなしな録画されたドラマに視線を移す。……この人たちは、北斗くんと一緒にいてくれるのかな。


「あれ?このドラマ…………近所の子が出てるんだっけ?マツムラ……なんとかくん?」
「………」
「A、サインとかもらっといた方がいいんじゃないか?(笑)」
「……もらわないよ」





自室に戻って、二つ折りの携帯を開く。
“新着メールが1件あります“

『今、俺ドラマに出てるんだけど暇だったら観たりしてくれないかな?』

私は、それに『忙しいから観れないと思う』なんて返信した。
当たり前だけど、すぐに返信は来ず。
三日後、『そうだよね。ごめん。今年の夏休みもそっちには顔出せなそう』と来たのをぼうっと見つめていた。
この年の夏に、親は離婚をして私は母親の姓になった。
育ててくれたおじいちゃんとおばあちゃんは、最後まで私と血が繋がっていないことは言わなかった。
高校を卒業するまではこっちにいることを知っていたから、店に顔を出しなさい。と言ってくれていたけど………怖くて、結局顔は出さずに私は東京の大学に通うことになった。

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設定タグ:SixTONES , 松村北斗   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:こより | 作成日時:2021年9月15日 12時

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