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「Aちゃん?店のポストに入ってたよ」


中学二年の夏、夏期講習の帰りに店に寄るとおばあちゃんに手紙を渡された。
雑貨屋さんで買ったのか、可愛らしい便箋に『Aちゃんへ』と几帳面な字で書かれていた。
裏を見ると、『北斗』と書いてある。

店の奥に入って、買い替えたギシギシ鳴らないパイプ椅子に腰掛けて封を切る。
中には一枚紙が入っていて、急いで書いたのかメールアドレスと電話番号、「携帯買ったから登録してください」と書かれていた。

………こんなことして、怒られるでしょう。

そう思って、彼の不用心さに笑いが出たけど。それと同時に、すごく嬉しかった。



彼の生活はかなり不規則らしく、メールの返信は日付を超えた時もあるかと思えば5時とかにきた日もあった。
大丈夫なのかな、と思った。
事務所はきちんと彼の体調のことを考えてくれてるのかな、と心配になったけどたまに商店に来る北斗くんのお母さんの顔を見たら何も言えなかった。

私は「北斗くん、応援してます」なんてありきたりな言葉しか言えなくて。でも、お母さんは大人だから「いつも北斗と仲良くしてくれてありがとう」と、言ってくれた。

皆、心配に決まってる。でも、一回でも休んだら誰かが自分の代わりになってしまうような世界なんだ。
すごく怖くなった。
手の届かないところで、自分の大事な人が頑張ってる。周りの色んな誹謗中傷に耐えて、頑張ってる。

私が知ってる北斗くんは純粋で、無垢で、末っ子って感じで、引っ込み思案な子だから。
都会の大人の、汚い欲のために彼を使うならやめてほしい。返してほしい、と思った。
きっと北斗くんはすぐ傷付く。あの人は一人が平気、なんて顔して自分は友達がいない。とか言うくせに、すごく寂しがり屋で。
そして、誰かに愛されたらすごく嬉しそうにする。
お願いだから、彼にとって辛いことがありませんように。
そう願って眠るのが、私の習慣になっていた。



.



「……北斗くん、背伸びた?」
「あは、うん。ちょっとね」


夏休みの終盤、北斗くんは静岡に帰ってきた。向こうで仕事が立て込むと、同じグループの男の子の家に泊めてもらうらしい。
それは有り難いけど、やっぱり申し訳ないから高校生になったら東京に行くのだ、と北斗くんは言った。

ここらへんでも有名になってしまったから道端やファミレスで話すわけにもいかず。北斗くんは初めて家に遊びに来た。
この家に、友達を呼ぶなんて初めてだったからドキドキした。

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設定タグ:SixTONES , 松村北斗   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:こより | 作成日時:2021年9月15日 12時

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