【2】この広い空の下で私は考えた【knmc】 (ページ7)

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53話【後輩の友達】ページ7

「あ、先輩！！おはようございます！」

朝の学校にて。移動教室の際、廊下で声をかけられる。

「あ、甲斐田くん。おはよう」
「先輩、この前はありがとうございました！」

この前と言うのは、生徒会での仕事を教えた時のことだろう。

「甲斐田くんが覚えが早くて私も助かったよ」
「ホントですか！？ありがとうございます！」
「この人がハルが言ってた先輩？」

そういって甲斐田くんの後ろからスっと出てきたのは紺色の髪の毛をした男の子と、藤色の髪の毛をした男の子である。

「いつも晴くんがお世話になってます」
「あ、俺長尾景です」
「弦月藤士郎です」

そういって私に挨拶をしてくれたのは、甲斐田くんと友達だという長尾くんと弦月くん。

「景、藤士郎、いつの間に」

甲斐田くんは後ろから出てきた2人に驚いている。

「晴くんが廊下で話してるの見えたから」

その後私達は少し会話した後、お別れした。あれ以降私は彼ら3人が一緒に仲良く話しているところをよく見るようになった。

「あの3人仲良いですよね」

校舎の窓から3人が見える。私は隣に居た不破先輩に言葉をかける。

「あー、あいつらかぁ。中学の時からずっと仲良いからなぁ」

不破先輩は仲良く話している3人を見た後にそう言う。中学から仲良いのかぁと呟きながら私は欠伸をする。

「ありゃ、眠い？」
「昨日遅くまで勉強してたので」
「あぁ、なるほどねぇ」

「ちょ、藤士郎待てって！！」

外から聞こえる騒がしい音に耳を傾けながら私は歩き出す。

「不破先輩、早く行きますよ。叶さん達が待ってます」
「あぇ〜、もう行くのかぁ」

窓を背もたれにしていた不破先輩はよっこいせと私の隣を歩き出す。

「皆で何すんだっけ」
「テスト勉強ですよ。不破先輩と葛葉が全くしないので」

これは中間テストまで残り10日の事である。