94話【勉強会】 ページ48
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葛葉とのことで忘れていたが、明日刀也くんと夏休みの課題をする予定だったのだ。私はスタンプで了承の返事を送り、スマホを閉じる。無理やり記憶を思い出そうとしても無理だ。とりあえず叶さんの言う通り大人しくしておくことが最善だろう。でも刀也くんにどういう顔で会えば良いのだろう。まぁ、刀也くんはあまりあの事とは関係ないし、いつも通りに……。
「課題どのくらい進んでます？」
「んー、数学はもう終わらせた。英語とかはコツコツ…」
今日は私の家で勉強をすることになった。いつも通り家に誰もいなかった為私は2人分の飲み物とお菓子を持ってリビングの机に置く。本当は私の部屋にしようと思っていたのだが、刀也くんが流石に誰もいない家で女の子の部屋に2人きりで上がれないといってリビングですることになった。
「夏休みが始まって約1週間経つけど、何かした？」
「えっと、生徒会の皆で海に…」
「へぇ、海いいね。楽しかった？」
「…うん」
あの時のことを思い出して私は少し言葉を詰まらせる。刀也くんはその事に気づいてなのかは分からないが、話題を変えてくれた。その後は教え合いながら私達は黙々と課題を進めた。そろそろやめようか、となり私達は勉強道具を片付ける。
「大事な話があるんですけど」
片付けが終わり、刀也くんを玄関まで送ろうと私が歩き出したとき、刀也くんの手が私の手首を掴んだ。私はその言葉に刀也くんの方を振り返る。
「大事な話？」
「そう、大事な話」
刀也くんの顔はとても真剣で、その目は私の方を的確に写している。刀也くんは私を掴んでいた手を離し、口を開いた。
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「好きです。僕と付き合ってくれませんか？」
彼の口から発せられたのは私を驚かせるには充分であった。少し前に彼が私に向けている好意に気づいたように、彼もまた私の彼への好意に気づいていたのだろう。その表情は貴方も同じ気持ちですよね、と言っているようであった。_______でも、
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作者名：蒼井 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/5291025/
作成日時：2023年9月1日 19時
