【2】この広い空の下で私は考えた【knmc】 (ページ19)

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65話【聞いたでぇ】ページ19

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「名前呼び、してるそうやなぁ？？」
「そうそう、うちら聞いたでぇ、さっさと吐け！今なら苦しまずに済むぞぉ！」
「苦しむってなんやねんw」

お昼休み、私はLINEで唯華ちゃんと咲ちゃんに呼び出されたと思ったら、出会い頭にそう言われた。まぁ、とりあえず席座りやと言われた為弁当と共に席に着く。

「あてぃしこの前聞いたんよ、剣持がAって呼んでんのを」
「うちは、Aが剣持のこと刀也くんって呼んでるの聞いたわ」
「「どういうことか説明してもらおか」」

2人はドンと机に両手をつき、私を見る。

「「え！？剣持から言われたぁ！？」」
「う、うん…」

2人は顔を合わせる。

「それって」「もう」「あれよなぁ？」「なぁ？」

A、いけるでと咲ちゃんはグッと親指を立てる。唯華ちゃんは、体育祭から怪しかったんねんと言う。

「でも、それは仲良くなったからって、明那もそうだから」
「いやいやちゃうねん」
「そうそう、1度しか言わへんからよう聞き」

それはな、

"嫉妬"やねん

「し、嫉妬…？なんで？」
「そりゃあ剣持も…」

『1年4組、椎名唯華さん、笹木咲さん。生徒指導室に来てください。社先生がお待ちです。繰り返します________』

咲ちゃんが話すのと同時に放送で2人に招集がかかる。

「何したの？」
「いやぁ〜」「どれかわからへんなぁ」

2人は食べかけの弁当を持って席を立つ。

「ちょっと、やしきずが"あてぃし"に会いたいみたいやけん、行くわ。ごめんなぁ」
「あてぃし、じゃなくてうちらな。じゃあAまた食べような」
「うん、行ってらっしゃい」

2人は私に手を振りながら教室を出ていく。私もとりあえず食べるか。そう思って私は弁当に手をつけた。ちなみに呼び出された理由は2人して遅刻して、言い訳を社先生に擦り付けたこと、らしい。社先生いつも大変だなぁ。