ブルーベリーナイツ【完】 (ページ25)

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駐車場に向かう途中

海くんは繋いでいた手を優しく引っ張って
私を抱き寄せた

｢…俺さぁー、Aのことすっっげぇすき｣

｢ふふ！なーにいきなり！笑笑
甘えんぼさんだね？？うみくん｣

｢…だからさ、もう元太のとこ行きな｣

何、言ってるの……？
私を抱きしめながら、なんで元太の名前を…？

｢うみ、くん…？なに、言ってるの…？｣

｢…さっき、俺がトイレ行ってるとき、
元太から連絡、きてたでしょ？｣

｢……うん｣

｢俺にも来てたんだ、この前一緒に鎌倉に行った日。
…まだAのことが好きだって言われたよ。
だから、負けたくなくて。
昔、聞いてたんだ、元太からAと江の島に来たって話。
試すようなことして…ごめん
…今日元太のこと、思い出した…？｣

そう言いながら海くんは体を離した

｢え…全然話、掴めないよ…｣

｢2人で江の島にきて、Aが一切元太のこと考えなかったらいいのに、って思ってた。
でもね今日Aの表情見てて、時々切なそうな顔すんだよね、笑
…すっごい、切なそうな顔｣

そう話す海くんの目には涙が溜まっていて。

目は少し充血していた

｢だからちゃんと元太と向き合って、
連絡、返してあげて。

……それでも、Aが俺を選んでくれるなら、
いつでも戻ってきてよ。俺、待ってるから」

俺電車で帰るから、気をつけてねと言い残して
海くんは駅へと向かっていった

引き留めることも出来ず、私はその場に立ち尽くすことしか出来なかった。

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