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夏が終わり、涼しくなった並木道
人気のない所
地面に敷き詰められたイチョウの葉
秋を踏みしめながら二人で歩いた
｢最近は？元気？｣
｢なにいきなり笑笑
元気だよ｣
｢じゃーなんで泣いてたの？元気じゃないでしょ｣
｢なんで、わかんの…｣
｢分かるよそりゃ。｣
海人くんは、私と元太が喧嘩した時、
いつも気づいてくれて気にかけてくれる。
何も考えてなさそうで、1番周りを見てる
｢……私、なんもないなぁって、｣
｢なんも？？｣
｢うん、元太を引き留めておけるような、
私だけの魅力、とか。なーんもなかったなぁって｣
｢ねぇ、それ本気で言ってんの？
自分のことなーんも分かってないんだね｣
｢…どういうこと？｣
｢笑顔がめちゃくちゃかわいいとこ
話すときに人の目をしっかり見るとこ
俺の話をすっごい共感しながら聞いてくれるとこ
人に尽くすとこ｣
｢…海人、くん？｣
｢Aちゃんの魅力なんていっぱいあるよ。
俺はいっぱい言える。
でも、Aちゃんのだめなとこは、
人に尽くしすぎるところ。｣
私の目を見ずに、淡々としゃべり続ける海人くん
木の隙間から差し込む太陽のあかりが海人くんの
横顔を照らしていた。
｢俺が今言えるのはここまで。
これ以上はまだ言わない、
Aちゃんがちょっとでも俺に向いたら、そのときに俺からちゃんと言うから。
だからさ、元太とちゃんと話しなね」
そう言って海人くんは私を家まで送り届けてくれて
ひらひらと手を振りながら駅へと向かっていった
もう、私は元太のことで泣かない。
ひとりで涙を流すのは、もうやめる。
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作者名：みぇ〜ん | 作成日時：2021年1月22日 10時
