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頬を涙が伝ったのが自分でわかった瞬間
私は海人くんの香水の香りに包まれていた
｢…それでも、元太のこと好きなんでしょ
元太のこと大切なんでしょ？｣
｢え、ち、ちょ、｣
｢じゃあ俺と付き合えばいいのに。
都合いいように俺を使えばいい｣
｢…そ、そんなこと出来るわけないよ、｣
肩をやさしくつかまれて体が離れたあと
海人くんは我に返ってごめん、と呟いた
｢あー…ごめん、雰囲気にのまれたわ！
…まぁ、またいつでも話聞くしLINEしてよ｣
｢うん、ありが、と。｣
結局元太に会わないまま、
私は家の最寄り駅まで電車に乗った
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
部屋の電気をつけないまま、
薄暗くなったベランダに出た
空にはもう少しだけ星が出ていた
夜空って儚くて。
ここで元太とビールを開けた
ここで元太と毛布にくるまって流れ星を見た
ここで元太と、初めてキスをした
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作者名：みぇ〜ん | 作成日時：2021年1月22日 10時
