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--- Seiya side
唇を重ねて、舌を絡めて、角度を変えてまた唇を食んで。
「せーや、すき」
末「おれも」
一旦離れると、まだ足りてなさそうな顔のAと目が合った。
末「もっと？」
「うん」
末「しゃーないなぁ」
そんなこと言うてかっこつけてるけど、俺もまだまだ足りてない。
思わずニヤけそうになるのを抑えながら、何回も口づけをかわす。
時間も忘れてただお互いを求め合うことだって、1ヶ月間できてなかったわけやし。
そりゃこんなんで足りるわけないねん。
多分お互いに満足する頃には、えらい時間が経ってるんやろう。
でもそれでええ。
こいつがこんなに幸せそうな顔で隣にいてくれるなら、それが一番ええねん。
「よかった、帰ってきてくれて」
末「どういうこと(笑) 帰るよそりゃ」
「東京で浮気でもされてたらどうしようかと(笑)」
末「せぇへんわ(笑) 他の人には触られんのも嫌やわ」
「それならよかった(笑)」
末「おまえこそ、正門と会ってイチャイチャしてへんやろな？」
「…してへんよ」
末「あ！その言い方はしてたやん！」
「ちゃう！してへん！うまいことかわしたもん」
末「うわ、あいつ…(笑)」
「…誠也がそんなこと言うの珍しい」
末「たしかに？」
普段は嫉妬なんかせえへんねんけどな。
俺が会えへんかった間に会えてる人がおるっていう事実に、ちょっと悔しいと思ってしもたんよな。
末「寝るまで離れたらんからな今日は」
「好きにして(笑)」
強気なことを言いながら満更でもない様子の彼女を見て、久しぶりに会えた喜びをまた実感した。
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作者名：きうい | 作成日時：2023年1月31日 0時
