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--- You side
誠也なりの優しさなのか、素直な気持ちなんか分からんけど、そりゃ今日食べた方が美味しいし嬉しくはある。
「ほな、家で食べる…？」
末「そうしよ。…やって考えてみ？長期出張から帰ってきたら彼女がご飯作ってくれてんねんで？最高やん。食べるやろそれは。」
「あはっ、かっこい〜〜！！」
末「なんやねん！(笑)」
あぁ、ほんまに帰ってきたんや。
電話越しじゃない声も、きゅるきゅるでキリッとしたおめめも、笑った時の目尻のしわも、ふわふわの髪も、大好きな香りも、もう全部目の前にある。
末「そんな顔すんな(笑) はよ帰んぞ」
笑いながらべしっと肩をしばかれる。
今考えてたこともきっと全部バレてるな。
サンドイッチの袋をひょいと私の手から取って、ボストンバッグとひとまとめにして持つと、もう片方の手をポケットに入れて少し浮かせる誠也。
目で合図をしてくるので、差し出された腕に黙って腕を絡めて歩き出す。
「誠也おかえり！おかえり！！」
末「何回言うねん(笑)」
会えへん間は意外と大丈夫やったけど、いざ再会すると思ったより嬉しい。
誠也も口に出して言ってはこんけどずっと口角があがってるし、同じ気持ちなんかな。そうやったらいいな。
ちらっと誠也の右手を見ると、小指におそろいのリングが光ってるのが見える。
わたしの視線に気付いた誠也も、同じようにわたしの右手を見る。
末「付けてくれてるやん」
「毎日つけてる(笑) ありがとう、ほんまに嬉しかった」
末「それはよかった」
「誠也も、ピアスも付けてくれてるやん？」
末「Aも付けてるやん？(笑)」
「うん(笑) おそろいいっぱいや。うれし。」
末「こういうお揃いはな、ええよな」
誠也は、所謂ペアルックみたいなのは苦手やもんな。わたしもやけど。
やから、こういう小物とか、この前の旅行で買った部屋着とか。
そういうちょっとしたものでもお揃いの物があると、それだけで認められてる感じがして、めちゃくちゃ嬉しいんよな。
末「おなかすいたわー」
サンドイッチ楽しみやな〜って無邪気に言ってる隣の誠也が可愛くて、顔を見てニヤニヤしてるとちょっと怒られたりして。
こういうのも全部、大事な2人の時間やな。
ふとそう思ったのをそのまま彼にぶつけると、「せやなぁ」と珍しく真面目な顔で肯定してくれた。
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作者名：きうい | 作成日時：2023年1月31日 0時
