エスプレッソ、甘めで。(S.S) Ⅳ (ページ11)

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--- You side

そりゃ会いたいし、抱きしめて欲しいし、ちゅーだって、したい。

誠也を思っては色んな気持ちになるけど、どんな感情も決してネガティブではないというか。

全てが幸せに思えるというか。

…変かな。

正「来週帰ってくるんやっけ？」

「はい！なんや、1ヶ月なんて思ってたよりあっという間かも。」

正「うそーん。俺は無理やわ。ついて行く！って言うてしまいそう(笑)」

「ついていく側なんですね(笑)」

正「たしかに(笑)」

正門くんと付き合ってたら、もっともっと甘々で、べったりで、こっちがキャパオーバーしそうなほどの愛を浴びせられる毎日やったんかな。

それはそれで幸せなんやろうなぁ。

とは思うものの、そんなことを考えれば考えるほど、知らん間にすっかり誠也とのスタイルが出来上がってるなぁと実感する。

…誠也だって相当甘いもん。

「正門くんと話して誠也が恋しくなるんは不本意なんですけど。(笑)」

正「えー？それは俺も不本意やわ〜(笑)」

「そうですね、すみません(笑)」

正「あ、でもさ、せっかくやしちょっと電話かけてみいひん？(笑)」

「え、誠也にですか？」

正「うん。サプライズ的な？(笑)」

お酒が入ってゆるゆるになってる正門くんは、待ち合わせの時よりももっと溶けた笑顔で電話をかけ始めた。

どうしよ、変に緊張するな。

正「あ、もしもし正門です。今大丈夫ですか？」

向こう側の声が全く聞こえへんから分からんけど、誠也の事やからきっと真っ先に要件を聞いてるやろうし、絶対すぐ代わってって言われると思う。

正「そうそう、Aちゃんと飲んでるのよ。うん、アッハッハッハッ！はい、じゃあ代わりますね」

ほらきた。

正「かわれってさ(笑)」

「はい(笑) ……もしもし」

末『おーA、今日やってんな、正門と飲みに行く言うてたの』

「そう」

末『…どしたん』

「え？」

末『いや、なんかいつもとちゃうくない？勘違いやったらごめんやけど』

なんでそんなこと一瞬で分かるん。

正門くんもいるのに会いたいとか言うたらうざいかなぁと躊躇ってると、何かを察したのか「トイレ行ってくるな〜」と席を外してくれた。

「正門くんと会ったら、誠也に会いたくなっちゃった(笑)」

末『え？(笑) 因果関係なさすぎるやろ(笑)』

「自分でもよう分からん(笑)」

なんやねんと笑った誠也は、うーんと少し考えて、「今日俺んちの鍵持ってる？」と聞いてきた。