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--- You side
リ「…そろそろ帰っていい？」
末「せやなぁ、俺らも帰るかぁ」
佐「主役帰るんやったら俺も…」
小「晶哉、お前は残れ」
佐「なんっでなん！」
福「まぁまぁええやん、な？」
というわけで、すっかり出来上がってる2人に捕まった晶哉くんを横目に、正門くんに挨拶だけしてお店を後にした。
末「リチャも駅まで送ろか？」
リ「じゃあそうしてもらおかな。明日も早いし。」
「あ、じゃあ私うしろいく」
この2人の空気感、なんとなく好きなんよね。
やから後ろから黙って見とこうと思って。
静かに動き出した車。
想像してた以上に終始無言で、さっきまでの騒がしさが嘘みたいやけど、私にとってはけっこう心地よかった。
末「よし、ついた！ほなリチャ、また明日な」
リ「ありがとう。家まで気ぃつけてな。」
末「おう」
「おつかれさまでした〜」
リ「おつかれー」
リチャードさんを見送って、後部座席に荷物は置いたまま自分だけ助手席に移動した。
「よいしょっと」
末「移動するんや」
「一応ね」
末「一応て(笑)」
ほな帰ろかーと言いながら再びゆっくりと動き出した車に揺られる。
「誠也」
末「んー？」
「お誕生日おめでとう」
末「おぉ(笑) ありがとう」
「好きやで」
末「…」
「こないだ、私を守るために生まれてきたって言うてくれて、ほんまに嬉しかった。ありがとう。」
末「…」
「…なんか言うてよ」
末「…や、ありがとう。…俺も、」
俺も
そこまで言うて、少し黙る彼。
その続きにどんな言葉がくるのか、気になって頭がぐるぐるとまわる。
末「…俺も、出会えてよかった」
「え」
末「旅行の時にさ、過去の話してくれた後に言うてくれたやん。泣きながら？(笑)」
「あー…、言うたかも(笑)」
末「あれが俺めっちゃ嬉しくて。やから、俺からもちゃんと伝えときたいなって。」
「……今日、誠也の誕生日やんな？」
末「ははっ、まぁ、俺はAが幸せなら幸せやから」
「なぁー！やっぱり結局わたしがキュンキュンさせられてさー！」
末「うるさいうるさい(笑) キュンキュンしてるよ俺も(笑)」
「そんなふうに見えへんもん！腹立つ！余裕男め」
末「褒め言葉やん(笑)」
なんやかんや、こんなふうにふざけて言い合いしてる時間がいちばん楽しかったりする。
隣にいられるだけで幸せ。
助手席から大好きな人の横顔を眺めながら、胸の奥があったかくなるのを感じた。
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作者名：きうい | 作成日時：2023年1月31日 0時
