今日から2人は ページ9
--- You side
一日中雨が降ってたのもあって、なんだかんだ夜までずっと居座ってしまった。
今日はさすがに帰った方が良いかな、でももうちょい一緒にいたいな。
色々考えながらボケっとしてると、彼の方から声をかけてくれた。
末「今日も泊まる？」
「えっ、いいの？」
末「おん。てか…」
「？」
末「いや、せっかくやしさ。その、な？」
「…うん(笑) じゃあ、泊まる」
お風呂先入ってきていいよって言ってくれて、あがったらまた誠也の服を着て。
付き合って初日からこんなに幸せでええんかなって逆に不安になるわ。
誠也がお風呂に入ってる間、とりあえず髪を乾かして、あとはぼーっとしつつたまに服の匂いをかいでみたりとかして。
末「Aー」
「んー？うわっ、」
お風呂上がりのほっかほかの誠也が抱きついてきて、勢いでソファに倒れ込む。
「びっくりした！てか暑っ！髪も濡れてるし！」
末「文句多ない！？」
ほんまに。嬉しいくせに照れ隠しで文句ばっか言うてしまうねん。
「てか私謎の体勢なんやけど(笑)」
末「それはごめん(笑)」
笑いながら私の上から退くと、黙って手を差し出してくれる誠也。
手を掴んで起こして貰うと、ぐっと強く引かれてまた腕の中。
末「はい、捕まえたー」
「今日はべったりやね」
末「…嬉しくてさ」
濡れた髪の隙間から見える目と目が合うと、それはもう色気がとんでもなくて簡単にときめく。
目を見てると吸い込まれそうで、誠也の首元に顔を埋めた。
末「ふっ、かわい」
「やめて、あんまりそういうの、」
末「そういうの、なに？」
「……キュンキュンしちゃうから」
末「ふは、じゃあやめへーん(笑)」
抱きしめられたまま頭を撫でられて、私も、と思って髪に触れるとまだ濡れてることを思い出した。
「濡れてるんやった(笑)」
末「せやった、乾かしてーや」
「ん、いいよ」
ソファの下に座り直して、はい、とドライヤーを渡してくる彼の顔が、もう既に満足そうでかわいい。
たまにこっちを向いてくるから風が当たって少し険しい顔をするのもかわいい。
「もー、前向いてじっとして(笑)」
末「あ、こうすればええんか！」
さも大発見をしたかのようにそう言って、よいしょとこっちを向いた誠也。
「え！なんか恥ずかしいやん！」
末「なにがやねん(笑)」
「あんま見んといて」
末「はいはい(笑)」
とか言いながらしっかり見てくるよな。知ってた。
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作者名：きうい | 作成日時：2022年5月11日 12時
