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--- You side
元通りソファでぴったりくっついて座って、すっかりまったりモードの私たち。
さっきまで挙動不審やった私にも謎の余裕が生まれてきて、躊躇なく自分から手を繋ぎにいく。
恋人繋ぎする勇気はなかったけど。
末「積極的やん(笑)」
「わざわざ言わないでくださいっ」
末「あ、2人の時は敬語もなしにしよーや」
「あ…うん、わ、…わかった！」
末「たどたどしいなぁ(笑)」
「がんばります(笑)」
呼び方とか話し方とか、急に変えるってのもなかなか難しい。
というか呼び方に関しては照れしかないんやけど。
するりと指が絡められて、恋人繋ぎにされる。
末「A」
「んー？」
末「んふ、呼んだだけー」
この人はどうしてそんなにサラッとAなんて呼べてしまうんやろか。
でも、誠也って呼ぶのはまだちょっと照れるけど嬉しさの方が大きくて、ただただ呼びたくなる気持ちは一緒かもしれん。
「……誠也？」
末「ん？」
「ふふ、誠也っ」
末「もーなんやねん(笑)」
ちゃんとアタックしてくれてたわりに、ほんまは照れ屋さんなのも最近気付いた。というかツンデレ？
「かわいい」
末「どこが！？」
「まって、顔あか…(笑)」
末「(笑)、暑なってきたわ」
「あははっ、そういうとこやん」
末「うっさ(笑)」
何この幸せな時間。
私の言動でいちいち照れたり喜んでくれたりするのが嬉しいし、軽口を叩いて笑い合えることも嬉しい。
「なぁ誠也」
末「なんや」
「好きやで」
末「…やば」
また抱き締められる。
末「俺も負けへんくらい好きやから、てか絶対俺の方がめちゃくちゃ好きやから」
「なにそれ(笑)」
耳元で話されると声が近くてすっごいドキドキするし、息がかかってこしょばい。
末「何、耳弱いんや(笑)」
今度はわざとふーっと息をかけられて、少し反応してしまう。
「ちょっ…あかんて…」
末「ふはっ、覚えとこーっと」
私この人のことほんまに好きなんや。
ほんまに彼女になったんや。
今こうやって抱きしめられてる幸せだって嘘じゃない。
照れ屋さんやったり、甘々やったり、意地悪してきたり。
最初の頃からは考えられへんほど色んな誠也に転がされてる。
これからももっと色んな部分を知っていきたいな。
ほんで、今はまだちょっとぎこちない呼び方も、話し方も、全部良い意味で『普通』になったらええな。
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作者名：きうい | 作成日時：2022年5月11日 12時
