真情を君に ページ29
--- You side
連休最終日。末澤さんとお出かけする日。
結局、連休のほとんどの日をダラダラと過ごしてしまった。
一昨日は小島くん大晴くんとひたすらカフェでお喋りして、予想通り色々事情聴取されたけど、楽しかった。
どうせ明日もいじられるんやろうな。
それ以外は特に誰かに会ったりもなく、なんだかんだ今日がずっと楽しみで無駄に早起きしてしまった。
朝からコーヒーを飲みながらぼーっとする時間があるなんていつぶりやろうか。
まったりしすぎてこのまま遅刻するやつや〜と他人事のように思う。
最寄り駅に10時頃に来てくれるらしいから、まだあと2時間ほどあるな。
てか車で迎えに来てくれるとかどこのイケメンやねん。
と、脳内でツッコミを入れたところで、最近忘れかけてたけど実際のところ顔は良いからなぁと勝手に腹を立てた。
のんびりと過ごしてたらあっという間に家を出る30分前になってて、案の定ドタバタと身支度を整える。
最近買ったロングスカートを履いて、お化粧をして髪もセットして、最後に姿見で軽く確認。
え、ちょっと浮かれすぎてて逆にきしょくない？
「ま、いっか！てかもう無理！時間ない！」
色々懸念はあれど遅刻が一番良くない。
一人でやばいやばいと言いながら早歩きで駅へ向かい、なんとか時間通りに到着。
ロータリーに何台か車が停まってるけど、この中に末澤さんの車があるのかどうかも分からん。
とりあえず運転手の顔を確認していくしかないなと思って、先頭にいる黒い大きめの車に近付くと、小柄な男性が降りてきて私に向かって『よっ』なんて言ってくる。
え、末澤さんやんな？オフの日こんな感じ？
全体的に黒でまとめられた服装に、いつもと違うふわふわの髪。
……ふつうにかっこいいねんけど。
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作者名：きうい | 作成日時：2022年4月23日 9時
