顔面強すぎる集団にナンパされた【稲荷崎】

3「ナンパされた」 ページ3

.





屋上に集まったのはバレー部の皆んな。
及川さんが早速配る!と言うので何故だか私も同行することになった。




「なあA、卵焼きくれてもいいんだよ」


「松川先輩なんで上からなんですか」




許可をとっていないのに取られる卵焼き。
うまぁ〜とか言いながら食べる先輩は罪に問われるべきだと思う。



「おいおい、あんまいじめてやんなよ〜」


「花巻先輩…!」


「あ、唐揚げ貰うわ」


「失望しました」




くそぅ…と悔しがっていると「何その顔可愛い」と激写してくる2人。
何故かきゅんとしなかった。



「はいはい!ちょっと皆んな聞いて!」


「なんだよ及川仕切りやがって」


「俺主将なんだけど」


「さっさと言えクソ川」


「もう泣きたい」




配られたプリントをトマトを頬張りながらしっかりと目を通す。えぇ…4時間もやるのかぁ。

って、ん？




「い、インターハイ準優勝…？」


「うわ稲荷崎じゃん。なんで俺らのとこ来るんだよ」


「それな。監督土下座でもしたんじゃね」


「いや、あっちから頼まれたらしいぞ」





3段弁当をぺろりと平らげた岩泉先輩がそう言うと、マジかと松川先輩が目を丸くする。
インターハイ準優勝……確かにウチも強豪だけど、わざわざ宮城に出向いてまで練習試合をするなんて。


よっぽどライバル視されてるのかな!




「Aちゃん、多分考えてること違うよ。そんなとこが可愛いけど」


「エスパー…」




でも、他に何か理由があるのならなんだろう。
偵察？技を盗みにきた？それとも煽りに来た？本当に練習したいだけ？

駄目だわかんない。




「ちょっと、俺ら仲間はずれですか」


「ちわっす!」




気怠げな声と元気はつらつな声が聞こえる。
この声は国見ちゃんと金田一くんかな。そう思って顔を向けると、ぽんぽんと頭を撫でられた。




「先輩、今日も最高に可愛いですね。前髪切りました？凄い似合ってます。勿論切る前もとても可愛かったですよ。それよりも今日は結ぶ位置高いですね。うなじから無限の可能性感じます。舐めて良いですか？あ、間違えました。食べて良いですか？」


「国見ちゃんは元気だね」


「ありがとうございます。先輩のお陰で生きられます」




よくわからないことを言い出す国見ちゃんは相変わらず元気だ。金田一くんも元気に挨拶してくれた。
うんうん、元気が1番。




「言ってる内容気になんないのかな…」


「わかってねぇんだよ阿保だから」


「そこが可愛いんだけどな」

4「ナンパされた」→←2「ナンパされた」

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す