3話 ページ5
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ピシャリ、と閉まったコンパートメントのドアが2人にはAの心に見えた。
まるで、彼が自分たちから逃げていくような。だけれどその背中は追いかけたくなるくらい寂しい。
気まずい雰囲気の中、沈黙を破ったのはロンだった。
「あ──その、君はつまり、マグルの中で育ってきたから知らないと思うけど………セルウィン家って凄いンだ」
「凄いって？」
ハリーがそう聞くと、丁度車内販売の魔女が通りかかった。愛嬌のある笑顔で何とも魅力的なお菓子のワゴンを引いている。
「僕はいいや、自分のがある」
ちょっぴり残念そうにロンはサンドウィッチを取り出した。手作りなのだろう、しかしロンはそれがあまり嬉しくないようだ。
ハリーはごそごそとポケットに入っている硬貨を取り出し、
「僕買うよ。ぜーんぶ頂戴!」
「それで、Aはどうして出て行っちゃったの？」
ロンとお菓子を一緒に食べながらハリーは幾分かよくなった雰囲気を察してもう一度聞いた。
魔法界のお菓子はとても愉快で美味しいものばかりで、すっかり魅了された。
カエルチョコや百味ビーンズ、かぼちゃパイなどもあり実に多様である。ロンもお菓子が食べれてご満悦みたいだ。
「出てったのは知らないけど、どうせ僕が気に入らないからだよ。僕ん家、純血の中でもいいってわけじゃないし…それに比べてセルウィン家は凄いよ。
お金持ちだし、由緒正しい純血一家だし、優秀な魔法使いしか出していない。でも残念なことに皆んな例のあの人を崇拝してるんだよ」
「ヴォルデモートを？」
ハリーがその名前を出したとき、ロンが息を呑んだのがわかった。
しまった、この名前は安易に言ってはいけないのだ。
「あぁ、ロン、違うんだ。僕ほんとに、名前を呼ぶことで勇敢に見せたかったとか、そういう訳じゃなくて、その、ほんとに何も知らないんだ、僕……僕きっと、クラスでビリだ………」
あからさまに落ち込むハリーをロンが必死で励ます。
その様子がハリーには嬉しくて、心がぽかぽかと温まった。友達って素晴らしいと心の底から感じた。
……Aも、いたらなあ。
ハリーはAのことでずっと頭がいっぱいだった。
綺麗な白髪、さらさらな髪に優しげな表情。何もかもがハリーにとって美しかった。きっと彼、前世は王子様だったに違いない。いやでも、ロンの話を聞く限り今もそうなのだろうか。
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すしを(プロフ) - 作者様受験合格おめでとうございます！ (2月7日 4時) (
レス) @page23 id: 83df5084ef (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - くせらやさん» ✉️。こんにちは！とても面白いです！もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか？これからも更新応援してます💖☺️ (2月4日 21時) (レス) id: f769238e4f (このIDを非表示/違反報告)
くせらや(プロフ) - ベルモットさん» 文章の色気なんて…っ😭その言葉が浮かぶ貴方様の語彙力が素晴らしすぎます😭✨最高の褒め言葉ありがとうございます！！まだまだ未熟ですがこれからもっともっと頑張りたいです！コメントありがとうございます！！ (8月7日 17時) (レス) id: 7fb7a1a4ed (このIDを非表示/違反報告)
くせらや(プロフ) - たきききさん» ほんっっっとに長い間放置してしまいごめんなさい🙏🙏🙏お待たせしましたお待たせしすぎました！！！これからも続きが気になるような作品にできるよう頑張ります！！コメントありがとうございます！！！ (8月7日 17時) (レス) id: 7fb7a1a4ed (このIDを非表示/違反報告)
くせらや(プロフ) - せらぴーさん» うわあああありがとうございます😭🙏尊敬だなんて恐れ多いですがとてもとっても嬉しいです！！！更新が滞ってしまい大変申し訳ございません…！まじでめちゃくちゃモチベ爆上がりです😭✨ありがとうございます！ (8月7日 16時) (レス) id: 7fb7a1a4ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くせらや | 作成日時：2023年3月3日 17時
