Story2.*･ﾟ ページ3
「アダムさん」
夕食の時間。今日の夕飯は牛のステーキにパン、サラダ。赤ワインを一口含みながら、俺に声をかけたジャンヌ・ダルクの方を見た。
夕食の時間はみんなが一斉に集まる時間。
他愛ない話に花を咲かせ、食後のデザート争奪戦に意気込む子供たちを微笑ましく思う。俺の中での、割と癒しの時間だ。
今日はジャンヌと、音楽家のヴィオレッタ・ノワールが作ったステーキに、子供等は夢中でかぶりついている。全員集合のこの時間、今日は一人だけ来てない人がいた。
「マリアさん、来てないみたいですけど…。何かご存知ですか？」
「いや、知らないです」
「そう、ですか…」
誰にでも分け隔てなく優しいジャンヌは、夕食に来ていないあいつの事でも心配しているのだろう。
まぁ、俺には関係ないし、関わりたくない。
「あの、アダムさん」
「何でしょう」
「その…、マリアさんの様子を見てきてくれませんか？」
「…私、ですか？」
何故、俺が。
そう思い、目の前のジャンヌを見る。
俺がものすごい嫌な顔をしたのか、ジャンヌは申し訳なさそうに謝り始める。
「あ、えっと、すみません…。嫌、でしたか…」
「アダム、行ってやりなよー」
横でむしゃむしゃステーキを食べていた十文字アタリが口を挟んでくる。
「ついでなので、これも持って行ってくださいます？」
ヴィオレッタが、俺に向かって一人分の夕食をお盆に載せて差し出す。
…なんだ、こいつらの断るなオーラは。
「…分かりました。嫌ですが、とてつもなく嫌ですが行ってあげましょう」
「本当ですかっ！ありがとうございます！」
嬉しそうにジャンヌが言うのを横で聞きつつ、俺は苦い顔でヴィオレッタからお盆を受け取った。
✱
ゆっくり目を開けると、霞んだ瞳に月明かりが差し込んでいるのが見える。時計を見れば、午後九時半。夕食の時間は終わっていた。
どこからか、ふわりとステーキのような香りがする。それから、赤ワインも。
「ふわあぁあ…」
片手で目を擦り、重い体を起こす。さっき脱ぎ捨てた鎧は隅のほうに置かれ、私の体にはタオルケットが掛けられていた。
夕飯もタオルケットも、誰がやってくれたのだろう。まぁ、大方ジャンヌかヴィオレッタだろうが。
ベッドから降り、立ち上がる。鏡台に映った私の姿はとても酷い。下着姿に乱れた髪、剥がれかけた化粧。
自分の机に置かれた夕食であろうステーキと赤ワインを一瞥し、ため息をついた。
「…先お風呂、入ろうかしら」
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小鳥原咲也(プロフ) - 初めまして！！もう最高のアダマリをありがとうございます！ﾆﾔﾆﾔしながら見させてもらいました(((°o°C=(_ _;投稿これからも頑張って下さい！ (2019年7月25日 14時) (
レス) id: b353114a2c (このIDを非表示/違反報告)
眼鏡。(プロフ) - 凄い私得のアダマリ、ありがとうございます！更新、頑張って下さい！！ (2018年1月14日 22時) (レス) id: 0e24f7fe4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煉 | 作成日時：2018年1月14日 19時
