【名探偵コナン】兄が救済している様で。Part2

蘇る。 ページ16

「でもAさんは昔の事、覚えてるんですか？」

明美さんの言葉にあー…と少し渋った。

『歯抜け程度、なんですよね。兄様と違って…』

・一人暮らしだった事。
・誰かといた事。
・射撃はその誰かに教えて貰った事。

分かっているのは…

『あ、デートしてたのも憶えて「デート！！？」兄様五月蝿い…』

「Aさんだって女性なんだからデート位するわよ。」

哀ちゃん辛辣だね…

『まぁ兄様が思うデートじゃないよ？』

さっき話した射撃の人…だと思う。

『でも多分、あの人は警察官かなぁ。』

非番デートって言ってたし…

『途中で中止になっちゃったけど。』

「中止？」

さっきニュースみて思い出したというか欠片程度に憶えていた話だ。

『放火…多分、何処かのショッピングモール…』

その人が先頭で避難誘導して…

『私も多分、それを手伝ってて…』

二人仲良く逃げ遅れたんだ。

なんでだろう…恐怖とかは感じなかったな。

扉を蹴破ったのはその人

逃げ遅れた子を連れて先に外に脱出したのは私

それから、あの人の元に…。



あれ？



『…そっか。あぁ…キツいけど思い出したや。』

最期の嘘つきだったんだと小さく吐き出す。

あの逞しい憧れた人は…

あの背中は…

『私の、お姉ちゃんだったんだ。』

誰かに似てるのは当たり前だ、兄様みたいな人だったんだ。

家族は二人だけで

姉も私も警察官を目指して、私は刑事、姉は…姉は…

『大変兄様すっごいこと思い出したわ。お姉ちゃんったら警察庁の人間で、あ、これ公安臭いかも？』

「凄いねAのお姉さん？！？」

そうなんだと零す私に多分性格は兄様みたいな感じだけど職種は零さんだよっていったらヤバいしか言わなくなった…ヤバい。

「会ってみたかったなぁ…」

『めっっっっちゃスパルタだよ？それに物凄く強いし拳銃とバイクに乗せたら最恐だったらしい…得意げに片手で拳銃構えて犯人の車パンクさせてた。』

私現場で遭遇したわぁははは…始末書の事思い出した…ヴッ頭が…ｯｯｯと抱えたらなんか気持ちわかるかも…と景光さん。

「毎回ゼロがやらかしてくれるんだよなぁ…」

『RX7を何度大破させたんですか透さん？』

「一度程…」

『ダウトですね、私の記憶では二度は確実に大破してますねハイ。』

「“知ってる”のは本当なんだね…Aさん…」

コナン君の言葉に開き直ってる私が居るのは確かだ。





そして多分、今もの凄く悪い人の顔してると思う。

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