露天風呂にて ページ35
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西畑「温泉にやって参りました〜。こうやってさぁ、8人で風呂ってなくない？」
大橋「朔は足だけやけどな」
露天風呂に並んで入る皆の後ろで、石に腰かけて足だけをお湯につけている。
浴衣の裾を捲くり上げて足を晒すのは、普通に温泉に浸かるより恥ずかしい気もする。
それでも、みんなと一緒に…とは
さすがにね、無理やろ？！
着替えだなんだで見慣れてはいるけど、皆タオル一枚。
お湯に浸かって濡れた髪をかき上げるのとか、ほんのり上気した肌とか……
あかん。
あかんやろ。
皆と温泉なんて、こんな機会もうないかもしれんし残念な気持ちもあるけど。
大橋「朔も一緒に入ったら良かったのに」
「これ以上距離が近いとか、違う意味で上せそうなので遠慮します」
藤原「反応に困るわ」
「せっかくの皆との旅が世に出せなくなったら困るから足だけでお願いします」
大西「言い直した意味あんまりないねん」
〈安東朔へのエモトーク〉
藤原「努力家やと思うよ、頑張りすぎは注意やけど」
大橋「ほんまそれなぁ。みんながやっぱ頑張ってんねんけど、中でも朔は際限がないって言うか…もっと自信持ってええねんでってくらい努力屋さんやねん」
大西「意外と負けず嫌いやから、誰がっていうより自分の納得できない自分はいややねんな。そういう向上心強いんはホンマに尊敬できる」
普段聞くことのない自分への印象は、なんとも気恥ずかしい。
思ったよりも真面目なトーンで聴くそれに、温泉のせいじゃなく頬が熱くなる。
高橋「周りを良く見てるというか…特にメンバーに関しては、好きすぎるからなんかも知れんけど、感情の変化とかには良く気付くなって思ってて」
長尾「わかる。なんとなく落ちこんでいる時とか、何を言うでもなく気付いたら傍に居てくれたりとか…結構ある」
道枝「気にかけてくれてるっていうのは凄く感じます。あと、違う現場でスタッフさんとかから、メンバーのアピールする朔ちゃんの話を聞くとホンマに嬉しくなる」
西畑「グループ外の方達から聴く朔がしっかり者みたいで未だに驚く(笑)それは努力もあってやし、大人になったんやなって感慨深いけど、もっと朔を信じてる俺達を信じて自信持ってやってくれたらって思う」
頬だけじゃなく目の奥も熱くなる気がして。
わたしも最近涙腺緩んできたんちゃうかなって思いながらも、誤魔化すように笑った。
「嬉しい…
けど待って。普段はしっかりしてないみたいな言い方！」
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作者名：斗和 | 作成日時：2022年9月1日 22時
