なにわこじらせ女子２ (ページ4)

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「ちゃうよ…謙杜はなんも悪くないのに、謝らんといて。わたしが、あほやったん。みんなに気を付けろって言われてたのに、軽率な行動取ったから。…ほんまごめんね。守ろうとしてくれてありがとう。心配してくれて、ほんまにありがとう」

だからもう、自分を責めないで欲しいという想いを込めて背中を撫でる。

わたしの首元に埋められていた顔が上げられると、いつも元気な謙杜には似つかわしく無い、今にも泣きそうな瞳とぶつかる。
流れてはいない涙を拭うように、両手で頬を包むと少しだけ表情が和らいだ気がした。

「お休み貰ってる間も、いっぱいメッセージとか写真とかくれてありがとう。おかげで元気出たし、早う戻らなあかんなって思えたんやで」

「朔ちゃん…」

手のひらに頬を擦り寄せる謙杜が可愛くて、ついつい口元を緩める。

と、背後の扉が急に開いた。

支えを失った頭が若干後ろに倒れかかったけど、咄嗟に謙杜が支えてくれたおかげで転びはしなかった。

「……は？」

「…ありゃ？」

「え？……朔？」

扉を開けたまま、わたしの顔を見て固まった丈くん。
その後ろから顔を覗かせた大橋君が、目をまんまるくしててかわいい。

「朔ちゃん…！」

「え？！ほんまに？」

「いや、なんで謙杜と抱き合ってんの？」

何事かとみんなが奥から出てくる。

心なしか瞳の潤むみっちーと恭平の姿に目頭が熱くなっていると、謙杜に支えられたままだったわたしの腕をぐい、と流星が引っ張った。
そのままぎゅっと流星に抱きしめられる。

微かに肩が震えている気がして、そっと抱きしめ返した。

「…おかえり」

「…ただいま…」

流星の背中を優しく撫でる。
少しの間ぎゅっと抱き合って。
わたしたちを見守っていたみんな、ひとりひとりの顔をみる。

最後に大橋君と目が合って、優しく微笑まれたら堪えられなくて視界が潤んでしまった。

「…みんなも、ただいまぁ」

ぎゅっと流星ごとだいちゃんに抱きしめられて、顔を見たらだいちゃんは泣いてて。
ほんまに涙腺緩いなぁ、なんて流星と笑う。

「とりあえず、ここ出入口やから全員中入りや。ドアも閉めれへんわ！」

丈くんに言われてそう言えばそうだったと思い出す。
促すようにだいちゃんの腕に触れたけど、ふるふると頭を振るだけで。

嬉しいやら困ったやらでしがみつかれて動けないでいたら、一緒に抱きしめられていた流星がだいちゃんを引き剥がして。
そのまま奥へと引っ張って行ってしまった。