なにわこじらせ女子２ (ページ17)

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幕間にページ17

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挨拶もなにを話していたか記憶がない。

アンコールとかちゃんとできてたんやろうか。

デビューの発表があって、そこからはもうなんだか記憶が飛び飛びで。
ただ、今日会いに来てくれたファンのみんなには、今できる最高の楽しい時間を共有して欲しいって思って。

揺れる色とりどりのペンラと、たくさんの拍手の音が焼き付いてる。

ステージから捌けてすぐ、スタッフさんたちにたくさん声をかけられて。

おめでとう、って

泣いてくださってるひともいて…

立ち尽くしていたら、後ろからぎゅって抱き締められた。

首筋に顔を埋められ、腕の力が強くなる。

止まったはずだった涙がまた瞳を熱くして、わたしを抱きしめる腕をぎゅうっと抱き返す。

「…だいちゃ…、…わたしも一緒に、デビュー…」

「当たり前やろ。俺達８人で、なにわ男子なんやから」

はっきりとした口調で、少し咎めるような響きで言われてさらに目がうるうる濡れてきてしまう。

唇を引き結んで耐えてないと、幼子のように泣き喚いてしまいそうで。
うぅー、っと唸るような声を漏らせば、だいちゃんが笑う気配がした。

「大ちゃん、朔ちゃん！」

ドンッ、と衝撃があって横から流星に抱きつかれる。

その、あとからあとからメンバーが抱きついてきてみんなで団子になった。
ぎゅうぎゅう抱き合ってるわたし達に、周りのスタッフさん達から笑い声が聞こえる。

「ちょ…っつ、潰れる…！あかん、ギブギブ！」

だいちゃんが苦しそうな声を出したけど、流星とだいちゃんが壁になってるせいかわたしは思ったより苦しくない。

離れていった皆をゆっくり見渡せば、きゅーっと心臓が締め付けられるような、言葉では言い表せない感情がこみ上げてくる。

「…わたし、まだまだこれからも皆と一緒に頑張っていきたい。わたしに居場所をくれてほんまにありがとう…これからも、よろしくお願いします！」

勢いよく頭を下げてから、改めてみんなの顔を見る。
大橋くんが優しい笑顔で頭をぽんぽんと撫でてくれた。

「何改まってんねん」

「……っ…」

「朔ちゃんのせいで高橋くんまた泣いちゃったやん」

「大吾くんより恭平の方がヤバイよな今日」

「大ちゃんもうるうるきてるけどな」

「きょろちゃん、このあと夜もあるで？大丈夫？」

顔を隠すように俯いた恭平の背中を撫でるとぎゅっと抱き締められて。
大きな赤ちゃんみたいで可愛くて、みんなで恭平を撫で回した。