お休み ページ2
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軽いショック症状で気を失っただけだったのですぐに退院はできた。
あの日…
電話でのわたしの異変に直ぐ気づいてくれただいちゃん。
たまたま仕事終わりにだいちゃんと一緒におった大橋君が丈くんに連絡して、マネージャーさんと警察にも連絡して、駆けつけてくれたらしい。
家に入り込もうとしている所を抑えて、すぐに警察も到着し、ストーカーと住居侵入の現行犯逮捕となった。
意外とおとなしく捕まり、電車での痴漢行為も写真の件もあっさりと認めたらしい…。
…思い出して背すじがぞわりとする。
ひとりの家に帰るのは怖くて…。
両親やマネージャーさんからの心配もあり、療養期間中は実家に戻ってきている。
マネージャーさんから3人の無事はすぐに確認できたけど、直接会えへんまま今に至る。
他のメンバーとも勿論会えてなくて、ただ、退院した日から毎日、スマホにはみんなからのメッセージが届いている。
今日は何をしたとか、誰がどうだったとか
本当にささいな日常の話。
それがすごく嬉しい反面、その場に自分が居てないことが寂しいとも思う。
「…はぁ〜…、…推しが、足りひん。完全になにわ男子不足や」
いま一番の死活問題である。
まぁまぁのトラウマレベル事件に遭遇した割に、我ながら案外メンタル強い。
あのひとは捕まったけど、外に出るのはまだ少し怖いのも事実。
うっかり思い出した自分の身の上だって、正直どうしたもんかと思う。
けど、それ以上に
メンバーに会えないのは寂しい。
みんなと一緒になにわ男子として活動出来ないことが悔しい。
そして、メンバーが毎日メッセージをくれるのと同じように、毎日わたしを心配してくれているなにふぁむがいてくれる。
それを感じるたび、休んでられへんって思う。
そう思えるのもやっぱり、みんなが居ってくれるから。
スマホの着信音に相手の名前を確認してから応答する。
「元気やで。ご飯もちゃんと食べてるししっかり寝てる」
『…まだ何も言うてないやんけ』
「だって、じょうくん毎回同じこと聞くんやもん」
お仕事が立て込んでいない時は、ほぼ毎日のように電話をくれる。
お父さんかな？と言うと、手のかかる娘はいらんって言われた。
ツンデレなんやから。
仕事終わりに電話をくれたのか、丈くんの後ろのほうで賑やかな声がしてる。
「ふへへ。じょうくんありがとう」
『なんやねん急に』
「…早くじょうくんや、みんなに会いたい」
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作者名：斗和 | 作成日時：2022年9月1日 22時
