降谷サン？邪魔しないでください。【降谷零／安室透】

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赤井さんの車に乗って数分。






『はい。もしもし神崎です』







なぜか電話のバイブ音がなり止みません。





「神崎さんXの資料のことなんですが…」


『あぁ、それなら降谷のデスクにあるはずだけど…』


「分かりました！ありがとうございます！」





赤井さんと楽しくドライブがてら警察学校へ向かう予定だったのになんでしょうか？


この電話の嵐は？


特に新入りくんのが多い…。







『そんで？なんで私に全部回ってきてるの？』


「はい…それが…降谷さんの携帯が繋がりません」


『は？アイツなにやってんの？』


「分かりません。ボードには外出中と書いてありますが…」


『…そう。わかったわ。キャッチホン入ったから切るよ？』








そう言って電話を切ると心のなかで舌打ちする。


こんなことならスマホの電源を切ってしまいたいが、それで部署の仕事が滞るのはよくない…。


ったく、なんで降谷のせいで赤井さんとの時間を邪魔されなくちゃいけないわけ？






「おや？キャッチホンはどうしたのかな？」


『…そんなもの入ってませんよ。早々に切り上げたかったのでそういったまでです』


「きみは嘘が上手なようだな」


『そんなことありませんよ。ポーカーフェイスは苦手なんです』


「ほぉー…。では、きみの様子からすると俺とのドライブは全くドキドキしていないようだな」


『え…？そ、そんなことないです！赤井さんとドライブできるなんて幸福以外の何物でもないで…』


prrrrrr…prrrrrr…





だーかーらー、なんでいいとこで電話鳴っちゃうの？


もう！赤井さん笑って面白がってるんだけど…！






『はい！もしもし神崎です！！』


「A？何でお前怒ってるんだ？」





着信画面も見ずに電話マークをタップしたために、今1番腹が立ってるやつと繋がってしまった…。


え、何この展開。


電話切っていいですかね？






『怒ってませんよ？降谷サンこそなんの用ですか？』


「あぁ、今な、丁度事件に遭遇する体質をお持ちのコナンくんと事件現場に出くわしてしまったんだ。僕が刑事の真似事をする訳にもいけないからお前が…」

『コナンくんはどこですか？！』


「コナンくんじゃなくて…そこは場所を聞けよ。でもまぁ、その必要はないがな。時期に着く」


『え…』






そう言って体が大きく左に傾くと、右折した車のフロントガラスの先から、降谷…もとい安室透の姿が見えてしまった。

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