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資料室に入るとさっそく目的の資料を探そうと周囲を見渡すが、今回のはかなり古いやつが必要だ。
だからもっと奥にあるはずだと、ずんずん1人で先を行く私をなぜか降谷が後からついてくる。
なんで着いてくるのと言いたいところだが、欲しい資料が偶然にもこっちって線も考えられるから何も言えない…。
『….ってかさっきから偶然多すぎでしょ』
「ん?何か言ったか?」
『いえ、何も』
「へぇーそうか」
え、なにこの降谷。
いつもなら"いいや。何か言ったろ?いいから吐け。吐かないと仕事増やす"と強情なわけだが…。
あっさり降谷とか本当になにがあったんだ…。
「ちょっと待てA」
『え?なに?』
「お前が探してた資料ってこれだろ?」
『え、あ…うん』
「こんなのを見落とす程何ボーッとしていたのか?頭でも打って怪我でもしたらどうするつもりだ。こんなとこすぐ助けなんか来ないぞ?」
『…以後気を付けます……』
「あぁ、そうしてくれ」
責める様な言い方だが優しい声音に脳が危険信号を出す。
誰だこの人。
本当に降谷なのか?
『ねぇ降谷』
「ん?あぁ、この資料、お前じゃ届かないもんな。俺が取るからお前は別の…」
『私のフルネームは?』
「…?神崎A」
『私の好物は?』
「カルボナーラ」
『私の最大の癒しは?』
「…江戸川コナンくん」
…あれ?おかしいな?
全部あってる…。
「いきなりどうしたんだ?お前」
『いや、降谷こそどうしたの?!降谷は私を罵倒するのが趣味でしょ?!』
「趣味って人聞きが悪いな…」
『…よし分かった。病院だ。病院に行こう』
「病院?僕がか?至って健康そのものだろ?」
そう告げる彼の額に焦って手が伸びる。
そうだ…!
降谷は多分熱があるんだ!
額にかかる柔らかなブロンドの髪をサラッとすくい上げて額に触れる。
「…いったいなんの真似をしている。僕は熱なんかないが」
『…おかしいなぁ』
「早く手を退けろ。資料が取れないだろ」
大人しく引き下がるもなんだか引っかかる。
じゃあ、降谷が熱じゃないとするとなんなんだろう?
ん。と差し出された資料を手に取り降谷を凝視する。
え?なにあいつ。
さっきからめっちゃ資料引き抜いてるけど、それ私が必要なやつなんだけど!
『…降谷もそれ使うの?』
「あぁ。お前の分も片すつもりだからな」
『え……』
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明里香(プロフ) - 空回りの話、誤字がありました。「お箱だろ」ではなく、「十八番だろ」です。 (2021年2月22日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 夢主が降谷君の事を勘違いするシーン、面白かったです^_^降谷君、策士だなぁと感じました!続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年12月9日 15時) (レス) id: fb97b4034b (このIDを非表示/違反報告)
星香(プロフ) - 坂竹会長さん» ありがとうございます(o^^o)はい!コナンの夢小説に限らずですがたくさん素敵な作品があると思います。私の作品もその1つになれたらなぁー…と笑更新地道にやっていきます!吐血大丈夫ですか?! (2019年7月25日 13時) (レス) id: 3c957dd699 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 面白いです!久々にコナンの夢小説見に来たのですが、やっぱ燃えますね♪((更新頑張ってください!! 失礼しましゴホッ_ー¶#_スミマセン、トケツシマシタ (2019年7月24日 6時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
星香(プロフ) - あかりさん» あかりさんありがとうございます!更新頑張りますね!! (2019年7月19日 15時) (レス) id: 3c957dd699 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星香 | 作成日時:2019年7月8日 20時