【テニプリ】君と夢を見た日。【短編集】

☆それはもう可愛らしい【越前リョーマ】 ページ5

「カルピーン、遊びに来たよ〜！」

にゃあ、と可愛い声をあげて私の元へ寄ってくる。今日もとても可愛い。毎日この子に会うためにここに来てる。

……っていうのは実は一番大きな目的の為の口実でしか無くて。そんな事に実は気付いているのか寂しそうにこちらを見つめるカルピンにごめんねと小さくウインクした。いや、カルピンは凄く可愛いから楽しみにしてるのは間違いないけど。

「ごめんね、リョーマくん、毎日来ちゃって……」
「いや、別にいいけど、」

＿＿実は彼に会うために口実を作ってたりする。

越前リョーマくん。たまたま散歩の途中に見つけた可愛い猫についていったらその飼い主に一目惚れっていうまあ漫画にありそうな展開。その飼い主が彼だった。

その時は驚いたよね、自分自身に。私一目惚れなんかするタイプだったんだ、っていうのとこんなに積極的だったんだっていうのに。

すぐさま話しかけて、「これからも会いに来ていいですか？」って。多分彼はカルピンの事だと思ってるんだろうけど本音は君に会いたくてなんだよなんて。

「やっぱ無理かぁ……」
「にゃあ？」
「カルピン……可愛いなぁ」
「ねえ、」

と、突然降ってきた声に顔を上げれば不機嫌そうな顔で私を見る彼が。

「そろそろ限界なんだけど」
「え、あ、ああ……やっぱ来るの迷惑だよね、ごめんね……」

ほら、彼は私の事別になんとも思ってない。むしろ迷惑だって。帰らなくちゃ、邪魔しちゃ駄目だし、

「待って、」

と荷物を持って立ち上がれば腕を掴まれ引っ張られ。もう状況がわからなかった。

「そうじゃなくて、」

いつの間にかその腕に包まれていた。私とほとんど身長が変わらないからすぐそこに彼の整った顔が存在している。望んでたけどどうしてこうなってるのか理解出来なくてただただ心臓の音だけが響いていた。

「＿＿俺にも構って欲しい、みたいな」
「え、それって……」

ばっと反らされた目線と赤く染まった頬が。

「だから、……あんたの事好き」

だんだん弱くなる声にもうきゅんきゅんが止まらなくて、

「……可愛い」
「……っかわいくなんてないし！」

それはもう可愛い以外の何者でもなくて、私の心は一気に満ちて。

「私も君の事好き」

全部、話そっかなって。

☆ただ俺だけ見て欲しいけど【丸井ブン太】→←〃

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