今日、幼馴染みやめます。4【Yuta.T】 (ページ23)

今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:135,690 hit

23 ページ23

「そろそろ帰ろ…」

「はいはい、出口はあちらでーす！」

「…知ってまーす」

嬉嬉として言うAに、何か胸の奥がズーンってする。そんなに俺が居なくなるのが嬉しいのかよ。

「お気を付けてお帰り下さいませー」

「ご心配ありがとうございまーす」

二人で顔を見合わせて、なんかスイッチ入って笑い合った。
あぁ、これ好き。俺とAのこんな感じの雰囲気が、堪んなく好きだわ。

ここが一番、自然な自分でいられる。

「見送りは？」

「え、めんど」

「…じゃあいいよ」

「仕方ないなぁ…ドアまでね」

毎回このパターンで、いつも少し甘えて見上げたら折れてくれる。
なんだかんだ言って、Aって俺のことすげー好きな気がする。

「はい、ドア。バイバーイ」

「階段の一番下まで」

「…下までだよ」

「や、玄関まで」

「暗いから、そこが限界ね」

「うん」

ホントに付いてきてくれてるか、後ろをチラチラ見ながら階段を降りてたら、ママがリビングから顔を出した。

「あら、もう帰るの？夜ご飯、裕太の好きな煮込みハンバーグなんだけど！」

「えぇっ、煮込みハンバーグ？！」

おぉ！俺の好きなやつ！！

A！いい？！って目で見たら、無表情で呟いた。

「……食べてけば？」