緑の楽園1-8 ページ35
少し距離があった。そこから1ミリもズレていない…完璧な射撃に怯んだ残党兵は1歩、2歩と後ろに下がる。
「オスマン枢機卿…」
総統は枢機卿の前にしゃがみ、手を差し伸べると枢機卿はその手を振り払い地面を何度も殴りつけた。
「死ななきゃ、いけないのに…!」
半ば泣き叫ぶように言っているから、しっかりと聞き取れたのは死ななきゃという言葉…。
総統は溜息をつくとサーベルを抜き取り構えた。
「なら死ね。」
勢いよく振られたサーベルは枢機卿の髪を切り、肌につく寸前に止められた。
総統はそれで満足したのかサーベルを戻すとこの場には不釣り合いな大声を出して笑った。
「今!オスマン枢機卿はここで死んだ!!撤収だ。帰るぞ!」
踵を返し、1人で進んでいるのに呆気にとられていた枢機卿が声を上げ、総統を呼び止める。総統が心底面倒くさそうに振り返ると枢機卿はいまだ嗚咽混じりに"なんで、どうして"と呟いた。
「願ったんだろう。生きたいと、自由になりたいと…貴様は自分から出ない。助けを求めない。ならどうする?貴様の意思はなんだ。」
枢機卿はゆっくりと、途中で揺らめきながらも何とか立ち上がり、総統をみて
「いきたい…た"…すけ…っ!」
絞り出すような声で呟いた。
「ふん、ならいい。とんち、オスマンを運べ…それからA、コネシマ、ショッピ。処理しろ」
総統からの指示に一斉に動き出す。できるだけ苦しめて、それでいて静かに…どうか殺された人達が報われるように…。私達は残党兵を処理を行った。
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きむち鍋(プロフ) - 紫さん» コメントありがとうございます。セリフ調になっているのがとても可愛らしいですね! (2020年12月30日 18時) (レス) id: 4e029fbece (このIDを非表示/違反報告)
紫 - os 「続きが気になるめう〜」gL「頑張ってくれ!」紫『面白かったです♪、、、せーの』「「『これからも宜しくお願いします!』」」 (2020年5月9日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
きむち鍋(プロフ) - ノリシロさん» コメントありがとうございます! こういったジャンルは初めてですので至らぬ点もありますが、のんびりと更新させていきますので、ゆったり楽しんでいただけたら幸いです! (2019年2月25日 11時) (レス) id: 82753cc095 (このIDを非表示/違反報告)
ノリシロ(プロフ) - 設定や一つひとつの表現に人物たちの感情が滲んでいる感じがしてすごく好きです!!
更新楽しみにしてます、頑張って下さい! (2019年2月24日 14時) (携帯から) (レス) id: 2e9ea22d03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きむち鍋 | 作成日時:2018年8月28日 20時