若紫は誓う1-3 ページ13
閃光と爆音が辺りを包む。爆発したのは石像の足元だ。
倒れる先は意図しているかのようにグルッペンさんと呼ばれた男の人とコネシマさんの所だ。
咄嗟に叫んでもそれが届くことは無い。今度こそ本当にこの人を失ってしまう。助けなきゃとは思うのに体が保身に走っているのか動くことが出来なかった。
先輩達に石像が当たる瞬間、俺は目を瞑った。目を瞑る少し前、グルッペンさんが笑っていたのは気のせいだったのだろうか。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
総統に向かって石像が倒れてきていた。
一瞬の事で動けなかったけれど、総統が私を見て笑ったんだ。
まるで、信頼してもらえているみたいに。
そう思うと動けなかった体が途端に力が入った。
地面を強く蹴って総統と石像の間に入って支える。
コネシマ王子が掴んだままでいた王と目が合った。そいつは私の力に驚いているのか、計画通りに進まないことに驚いているのか…まぁどちらにせよこいつだけは殺してやる。
コネシマ王子はやっぱ凄いなお前と笑ってみせているけれど、それに笑い返す余裕はない。彼が掴んでいる王を力任せに奪い取ると壁に向かって思い切り投げた。
王が壁にあたると悲鳴をあげて倒れこむ。よく聞けば呻いているからまだ生きているのか…。なんてしぶとい。
王の近くにいき、腹に蹴りをいれ、踏み付けて。これからどう痛めつけてやろうか。同じように石像でも落とす？それじゃぁ一瞬すぎる…いっそ国に連れて帰って爪を1枚ずつ……
「A」
総統が私の名を呼び、体がピタリととまる。
そのまま振り返ると、総統は酷く優しい笑顔を浮かべていた。
「やめておけ、服が汚れているぞ」
総統から目を離さず、指示通りに足を下ろした。
足元にいた王はトントンが縛り上げて周りをくるりと確認する。
「多分、無いな…A、音とか分かる？」
『今は無いかな。また爆発するようならすぐ動くよ。』
今度、同じようなことするならこの王様を下敷きにしてやろう。
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きむち鍋(プロフ) - 紫さん» コメントありがとうございます。セリフ調になっているのがとても可愛らしいですね！ (2020年12月30日 18時) (
レス) id: 4e029fbece (このIDを非表示/違反報告)
紫 - os 「続きが気になるめう〜」gL「頑張ってくれ！」紫『面白かったです♪､､、せーの』「「『これからも宜しくお願いします！』」」 (2020年5月9日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
きむち鍋(プロフ) - ノリシロさん» コメントありがとうございます！ こういったジャンルは初めてですので至らぬ点もありますが、のんびりと更新させていきますので、ゆったり楽しんでいただけたら幸いです！ (2019年2月25日 11時) (レス) id: 82753cc095 (このIDを非表示/違反報告)
ノリシロ(プロフ) - 設定や一つひとつの表現に人物たちの感情が滲んでいる感じがしてすごく好きです！！
更新楽しみにしてます、頑張って下さい！ (2019年2月24日 14時) (携帯から) (レス) id: 2e9ea22d03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きむち鍋 | 作成日時：2018年8月28日 20時
