▽ ページ6
Shogo side
｢もぉー、頑固だなぁ。｣
｢無理なもんは無理ですって。｣
ようやく諦めたのか、腕を下ろしてため息をつく陸さん。...ここが家ならいくのにな。って、何考えとんの俺。ふるふると頭を振って、頭に浮かんできたものを振り払っていると。
｢じゃあ仕方ないね。...おいで、彰吾。｣
｢っ、！それ、ずるい。｣
とろとろと甘い響きで名前を呼ばれることが、いつの間にか甘えていいスイッチみたいになってしまっていて。そして、勝手にそのスイッチを作った張本人は目の前でニコニコ笑って、再び腕を広げて俺を待っている。
｢んん...、っだめ。｣
｢えー、これでもダメなの？｣
口を尖らせて不満そうに上目遣いで見てくる大型犬に思いがけずきゅんとしてしまうけど、流石にメンバーの前で陸さんに抱きつくのは俺の小さなプライドが許さなくて。
｢ふふっ。ねぇ、彰吾？今すっごく、甘えたいなぁって顔してるの知ってた？｣
｢ひゃ、！｣
ふいに、ニヤッと笑って耳元で囁いてくる陸さん。いつもはある時にしか聞けない低めの声に、思わず背筋がぞくっとして、頭にもやがかかったようにぼーっとしてくる。
｢ほら、｣
｢っだめ。恥ずかしすぎる...！｣
｢おいで彰吾。｣
ぶんぶんと首を振って最後の悪あがきをするけど、ふわっと笑って、噎せかえりそうなほど甘ったるく名前を呼ばれてしまえば、もうほんの少しだけ残ってた理性なんてものもすっかり無くなってしまって。のろのろと陸さんへと手を伸ばすと、優しく引っ張り上げられて、ぎゅうっと力強く抱きしめられた。
｢ん、おやすみ。｣
この世で一番落ち着く香りと体温に包まれて、優しく大好きな声をかけられれば、深い眠りに落ちていくのはすぐだった。
｢ん？陸さんそれ何？｣
｢んふふー、やましょーだよ。｣
｢やましょー！？珍しいこともあるもんやな。｣
｢本人自覚してないけど、最近あんまりよく寝れてないみたいなんだよね。あー、早く一緒に住む家探そっ！｣
｢...そうか。決まったらちゃんと報告しーや。｣
｢そりゃもちろん。にしても、やましょーの寝顔ほんと可愛い。...陣くんには見せないけど。｣
｢なんでやねん。てか、別に見せていらんわ。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 321人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にのみい(プロフ) - いつもお話楽しみにしていますーー！スリボで陸さん受けが読みたいですー！！ちなみになんですけどTwitterは浮上しないのでしょうか？🥺不快に感じてしまったらすみません💦 (2022年2月13日 20時) (
レス) id: 337b13da5d (このIDを非表示/違反報告)
彩美 - 陸さん出てるの嬉しいー！かずりく好きなので読めると嬉しいです。 (2021年4月9日 12時) (レス) id: 29e05ea114 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Shion | 作成日時：2021年3月1日 20時
