太宰さんマジで仕事してくんねぇかな。と思った今日この頃。

み・じ・か・い・！ ページ7

乱歩さんは眼鏡を取り出し、掛けた。目を開き、二つの写真を見た。

恐らく彼の頭の中では常人では処理しきれない膨大な情報を整理してるのだろう。



「……。敦君が今いる場所は＿＿」



皆が身を乗り出した。



「＿＿ここだ」

「＿＿海!?」

「速度は東南東に20節(ノット)。公海へ向け進んでいる。＿＿死んではいない。今はね」



国木田さんがハッとして云った。



「船か＿＿！」

「輸送先は外国(とつくに)か」

「拙い……国外に運ばれたら手の出しようがない」

『高速艇で今直ぐ行けば間に合います！』



社長が懐から鍵を取り出した。ピンと指で弾く。



「港に社の小型高速艇が有る。それで行け」

「……」



国木田さんは黙って鍵を受け取った。

私も黙ってその後についていった。











「おい……凪」

『はい？』



国木田さんは振り返らずに云った。いやまぁ運転してるから、振り返られたら危ないんだけど。



「お前、太宰と知り合いだと云っていたよな……何時からなんだ？」

『え？えっと、』



何でそんな事を訊くんだろうと思ったけど、正直に答える。



『四年……半前ですね、大体』

「そうか」



国木田さんは暫く黙ったかと思えば、また口を開いた。



「太宰とかに何かされたら、俺に云えよ」

『太宰さんに仕事押し付けられるんですけど如何すればいいですか』

「そうじゃない！いやそれもそうなんだが！」



「違う……おれは何を云って……別にそういう訳じゃ……」とぶつぶつ呟く国木田さん。

一瞬突き落としてやろうかなと思ったけど、流石に可哀想になったので止めてあげた。

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