私の声、君の歌声＋α

Shintaro ページ1

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北斗のプレオープン兼きょものサプライズパーティーが終わり、車を運転して自宅に戻りながら


独り昔の思い出に浸る





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Aと出会ったのは確か幼稚園に入園した時くらいの時




他の5人の中では誰よりもいちばん早く出会った俺ら



母親同士が仲良くなって、必然的に俺らも仲良くなった







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最初こそ無口でお母さんの後ろに隠れて、心を開かなかったA


お互いの家に行き来し合う母親にオマケみたいにかならず着いて行かされた



母親達はお茶しながら笑って喋ってるのに、俺はいつも1人でテレビでアニメを見ていた





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その間Aは何をしていたかと言うと、1人で折り紙やら塗り絵やら、黙々と1人遊び






Aが一人っ子っていうのもあるけど、いつも兄とプロレスやらテレビゲームをしている俺にとってはこの時間が結構苦痛だった





いつの間にかAの家に遊びに行く日はどうしたら母親に着いていかなくて済むかを考える程だった




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同い年っていうのは知ってるけど何を考えてる考えてるか分からない人ほど小さい時の俺に苦手なものはなかった




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行かずに考える方法をたくさん考えても、結局は毎回連れて行かれるAの家。





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毎回おやつの時間に

「これ、はんぶんこしてね」

って渡されるドーナツやらケーキやらクッキーを、渡されるのは必ずA。



小さいながら悪知恵が働いてたから、信用されてなかった。おやつに関しては。






俺だったら、バレないよう少しでも自分が多くなるように考えて割るけど、


Aは割るのが下手くそ。本当に下手で、右の方が圧倒的にデカくなる。





心の中ではふざけんなって思ってたけど、毎回Aは無言で俺に大きい方を渡してきた





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何考えてんだコイツってびっくりしていると、ティッシュを敷いて俺の近くに置いて、また独り遊びに没頭してた






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知り合って半年ほど経っても、Aと俺はほとんど話したことがなかった





幼稚園を卒園して、小学校に入学





クラス表を見て、Aがいないことを確認してほっとしたのを覚えてる





母親に聞くと、地区が違うから学校が違うって残念な顔して言ってた






そこで出会ったのが北斗と樹


１年２組、おんなじクラスだった

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