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今日も憂鬱な授業が全部終わってクラスメイトみんなが続々と帰る準備をしている
案の定外は土砂降りでみんなも「最悪〜」だの「誰か傘入れて〜」だの喋っている
ゆりは彼氏と一緒に帰るからと言って傘のない私を見放した
酷いやつだ、、、
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しょうがなく1人で少しでも雨が止まないか教室で待つことにした
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誰もいない教室は雨の強い音だけしか聞こえない
雨は嫌いなはずなのに何故か雨音が心地よくて眠りにつきそうになる
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暫く教室にいたけど止む様子もないので準備をして玄関に向かう
靴を履いて玄関の端っこで携帯を触りながらほんの少しでも止まないか外をの様子を伺った
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『もう絶対止まないやつじゃん』
なんて独り言を零してため息をついた
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?「傘ないんすか?」
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『えっ、、?』
誰かに話しかけられて振り返るとそこには男子生徒が黒い傘を持って立っていた
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前髪が長めであまり顔が見えないけど、あまり見た事ない人だからきっと後輩だろう
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『あっ、そうなの、、傘持ってくるの忘れちゃって』
そう言うと彼はちょっと黙り込んで
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拓「、、、これ使います?」
なんて意味のわからないことを言ってきた
傘は彼の持ってる1本だけしかないのに私に傘を渡してどうやって帰るんだって
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『え?君が使う傘でしょ?そんなの申し訳ないよ、』
拓「ええから」
そう言って私に無理やり傘を押し付けて雨の中へ走って消えていった
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あまりの一瞬の出来事で彼を引き止めたり、追いかけたりすることも出来ず暫くそこに立ち尽くしているしかなかった
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作者名:もちゃん | 作成日時:2021年9月14日 1時