【名探偵コナン】この男を知ってるかと質問されたので、素直に答えてしまったら何か怪しい組織に加入させられました。【降谷零】 (ページ13)

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二章【完】ページ13

「……」

暗い倉庫で、タバコを吸って居たジンは、先程バーボンに言われた条件のことを思い返して居た。

可愛らしく手を後ろに組んで微笑み、近づいてきたバーボンを未だに良く覚えている。

バーボンは良く働いてくれているし、最近は殺しの仕事も任せられるようになったし。
ハニートラップも上手ければ女性に対してはバーボンが良く売れる。

だから、NOCという疑いを失くしたいのは山々だが、失くすにしても些か情報不十分であった。

「…はんっ…気に食わねえ」

【…その条件は、】

①モルトに必要以上に近づかない

②彼女の任務は「バーボンの監視」のみ

③仕事を選ぶ権利を与える

④元一般人ということを忘れずに扱うこと

⑤絶対に殺さないこと

ジンとしてはその条件を飲み込むには些か幾つかの不満があったが、その「理由」を話せと言われた時に偽ることが面倒な挙句、納得しなさそうだと感じ、バーボンのその条件を承諾した。

「…まぁどうせ間宮Aは死ぬ運命しか未来はねぇからな。条件を飲んだところで変わりやしねぇ」

………。

──── 例えば、世界が広かったとして。

何もかもを許しあえて、好きになれるなれる人はどれ程いるんだろう？

生涯を一緒に過ごしたいと思える人は、どれ程いるんだろう？

仮に、その人が見つかったとて。

こんな広い世界じゃ、一人の人間の「ありのまま」なんて見れやしない。

広い世界に生きているからこそ、
その広い中に住んでいる私たちは、

一人一人の人間の「ありのまま」を見ることができない。…狭く物事を見ることしか出来ない。

故に、その相手が今現在何を思ってるのか。
本当は何なのか。

本人にしか、分からないのだ。

Lies and truth.

降谷零は、嘘か本当か。