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それから。
手当を終えた俺は、長居は無用だとその家を去った。
「夜遅いですし、泊まって行っては?」なんてお誘いは華麗に無視をしておいた。
見ず知らずの人を家に上げて手当してくれた(?)だけで十分だ。
警戒心がない彼女の側にいたらこっちの気が狂いそうだし、何より初対面で小汚い状態の俺を置いておく理由がわからない。
「…ふ…っ、」
なんとなく、笑みが溢れた。
会話なんて数回だし、俺はあぁ言う女性が苦手なタイプだと思っていたが…。
案外、振り回されるのは悪くないのかもしれないな。
不器用な彼女に、少しだけ元気をもらった。
「あ」
「あ」
そんなある日。
二度目の再会を果たした。
出会い方は簡単だ。
黒の組織から身を隠したくて公安の仕事の方を優先してやっており、ひと段落した時に立ち寄ったカフェ。
そこに彼女がバイトで働いていたのだ。
「…降谷さん」
「はい」
「あの…あのですね。一目惚れで……貴方のことが、好きなんですっ…!私と、付き合ってくださいませんか!!?」
一時間くらいそのカフェにのんびりと滞在していると、休憩をもらった彼女に「ちょっと」と言われて一緒に外に出たら、告白をされた。
驚かなかった。
……なんて言ったら嘘だ。
一回だけ会って、手当しただけの存在にボロクソ言われていて、挙句に会話も少なかった俺のことを覚えているだけで笑えるのに、告白など。
……でも何故か、それを承諾したのは俺なのだ。
だから、だからどうか。
俺の知らないところで急に居なくなったり、死んだりしないでくれよ。
そして、どうか。
俺に、彼女を守らせてください。
神さま ─────。
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天高 星(プロフ) - 凜々さん» こちらこそご愛読ありがとうございます!そう言ってもらえると嬉しいです…。夢主ちゃん元気ですよ〜!!ハツラツです!なんで本当にあんなイケメンアラサーなんだか…。罪ですよね…。10回!すごい!流石ですね…。ありがとうございます。更新頑張りますね! (2018年7月28日 11時) (レス) id: dc7bbe1568 (このIDを非表示/違反報告)
凜々(プロフ) - ほんとにほんとに素敵な素晴らしい作品をありがとうございます!夢主ちゃんが元気なので私も元気貰えます!安室さんがカッコよすぎるのが罪です…。ゼロシコ10回程執行されますた(*^¬^*)一人で行くと燃え尽きます。。暑いのでお体には気をつけて下さい!応援してます! (2018年7月26日 7時) (レス) id: ca858caa44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天高 星 | 作成日時:2018年7月9日 22時