五十七話 ページ10
緑谷side
出「…ありがとう。」
多「お茶、飲む？」
出「うん。もらうよ。」
まともに会話するの、もう、二ヶ月ぶりくらいかな？嬉しかった。
どうして許してくれたんだろう。
出「…あのさ、聞いちゃいけないとは思うんだけど……。Aってこれからどうなっちゃうのかな？」
多「施設にいく必要もないしね。
親戚はみんな押し付けあいよ。私には拒否権も決定権も無いでしょ。
だから、何も言えないけど。
このまま順当にいけば北海道かな。
そこだと一人暮らしさせる金出せないって言われて雄英は辞めるかも。」
出「…そんな！」
余りにも酷すぎる。
Aが勝ち取った雄英高校ヒーロー科の合格だ。それを勝手に変えていいのか。
多「しょうがないよ。
私、今ヒーローに向いてるか分かんなくなってきたところだし。
母さんが殺されたときさ、敵を殺しそうになった。そのときは知り合いが止めてくれたけど……その人いなかったらどうなってたか。
私、本物の人殺しになるところだった。」
出「…そんな…決めつけないでよ！」
自傷的に言ったAについ、そう叫んでいた。
辞めてほしくない。
それと、どうしても伝えなきゃいけないことがある。そんなことは絶対ない。
僕らはみんな、待ってるんだ。
出「やってみないと分かんないじゃんか！
それに、誰だってそう思うよ！親目の前で殺されたら、そりゃあそうだよ！
Aは何でも悪い方向に考えすぎだよ！だってあんなになりたがってたじゃん！
小さい頃、オールマイトになるって！
僕たち、みんな待ってるんだ。
Aが戻ってくるのを。
向いてるとか関係ない！なりたいんだからなればいいよ！大丈夫だよ！
だってあの時、喧嘩してもそれでも僕を助けてくれた！それだけで、充分だよ…。」
ついそう、思いっきりぶつけてしまった。
すると、Aはみるみる間に涙が目にたまって泣き出してしまった。
目を、必死に擦っている。
出「…え、どうかした？
ヤバイこといっちゃったかな？」
多「…違う！
只………ありがとう。」
その日はもう帰ることにした。邪魔になると思ったし、まだ忙しいようだったから。
出「あ、飯田くんがお父さんの遺書が出てきたって……。」
多「…そう。
ある人がね、《力を生かすも殺すも君次第》って言ったんだ。
私はこの力、誰かのために生かしたい。
ヒーローになるよ。ありがとう。
出「…うん！待ってる！」
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夢女子S氏(プロフ) - ちょっと、目から塩水が止まんないじゃないですか……神作品をあ"り"か"と"う"こ"さ"い"ま"す"っ"！！ (2021年6月27日 16時) (
レス) id: 355241a2ce (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - あれ……目から水が……更新待ってます！ (2020年3月2日 11時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年1月1日 1時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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