【d!】心無しチワワ、偽愛少女を溺愛中【kn】

#29 ページ29

side.少女









.









『………やっば、寝てた』









読書をしようと早3時間ほど









.









主人公の気持ちなんて理解できないはずなのに、食い入るように読書に没頭していた









.









が、人間には三大欲求のひとつ、睡眠欲がある為、いつの間にか1時間ほど眠っていた様だ









.









凝り固まった体を伸ばし、ぽきぽきっ、と音を鳴らす









.









時計を見上げれば丁度お昼近く









.









『…偶には自炊でもするか』









.









思い立ったが吉日、近くのスーパーに行くために部屋を出た









.









『暑っつい…』









.









外へと出れば容赦なく太陽が照りつける









.









まだ7月初めだと言うのにこの暑さ









.









8月が恐ろしい









.









額に浮かんだ汗を拭いつつ足を進めた









.









『オムライス食べようかなぁ…』









.









スーパーにたどり着き、今現在









.









出入口付近でそんな事を呟けば買い物カゴを手に取った









.









『えっとケチャップって何処だ…？』









.









材料をどんどんカゴの中に入れていき、終盤まで来たところ、調味料コーナーが何処なのか分からなくなった









.









??｢お嬢さん。もしかして、何か探してる？｣









.









ふらふらと歩いていれば後ろから声がかかった






驚いて振り向けばそこには個性的なバツが付いたマスクを着け、黒いスーツを身にまとって、優しそうな雰囲気を漂わせた人がいた









.









『あ、えっと…ケチャップって何処か分かりますか…？』









.









流石に初対面の男の人に聞くのは気が引けたが、何かを探しているのを気付かれては言うしか無かった









.









マスクの男の人は口元が隠れていても分かるくらいに微笑んで、着いてきて、と率先してくれた

#30→←#28

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す