flower of loves

episode 28 ページ29

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『にしてもさっきの愛莉すごかったね……。』



海斗「ああ、まったくだ。どいつもこいつも……。」




サロンに行く階段を並んで歩きながら、海斗は深くため息をついた。




サロンには、トレーニングをしている杉丸と、ソファーで話をする一茶と晴。


その２人はちょうど音の話をしていたみたいで、海斗が晴を呼んで私たちは場所を変えて3人で話した。





晴「あの庶民、急に婚約者がいるとか言い出してよ。」


　「しかも、馳天馬まであらわれるしよ。」



海斗「馳が？」



晴「ああ。なんでも、幼馴染みなんだってよ。」







ドキッとした。





晴が音から聞いた婚約者の話。


相手までは聞いてないみたいだけど、晴は音と天馬のつながりを知ってしまったんだ。



もし、音の婚約者が天馬って知ってしまったら…、









きっと、音は英徳にいられなくなる。









音の婚約者が天馬だ、って絶対に晴に知らせちゃいけない。









でも、どうしてかな。





分かってたのに、その事実が痛い。









晴「腹立つんだよ。昨日からずっと江戸川の顔が頭から
離れねえし。」




晴が発した言葉に思わず目を見開いた。







今、晴はなんて言った？




音の顔が頭から離れない？






晴、誰かのことが頭から離れないなんてそんな理由、私は1個しか知らないよ。









だってね、晴。








私は天馬の顔が頭から離れない。






海斗「はぁ、わざわざそんな女に惚れなくたって…。」




海斗も晴の気持ちを察したみたいで、ため息をつきながら晴を見やる。





晴「はあ!?なんでそうなるんだよ！」



海斗「じゃあどうして江戸川音にこだわる？」



晴「それは……。」






海斗に問われて晴は黙ってしまった。

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