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『……は?音楽?』






ここから飛び降りよう、そう決意して目を瞑ったその瞬間少し離れたところから声がした。





目を開けて、振り返るとパーカーのフードを被った女性がそこに立っていた







街灯も少ないこの場所でフードを被っているからよく顔は分からないが、俺と同じ歳くらいか少し若いくらいだろうか。







「そ!音楽!やろうよ!お兄さん若いんだし死.んだらもったいないよー!」







ゆっくり俺の元に近づいて、いつの間にかその子も俺と同じように欄干に手をかけた








「うわー、高いねここ。ここから落ちたら一溜りもないね。


……何があったか知らないけどさ、とりあえず私についてきてみない?人生なんてイージーモードだよ!(笑)」







そう言ってそっと俺に手を差し伸べた








『……君は、なんなん?』


「ふふっ、そんなのあとあと!ほら!行こ!」







まだ行くとも言ってない俺の手を今度はひっぱり、俺がここへ来た道とは逆の方へ走り出した







『えっ!?ちょ、待って!!速いって!!!!!』



「あはは!もっと速く走るよー!」









振り返った衝動で彼女のフードがパサっと取れる

その素顔は、キラキラと輝く太陽のような笑顔だった









強引で、足が速くて、俺の真っ暗だった心に光を刺してくれるような笑顔を持った




そんな君と出会った日。







この時の俺はまだ、彼女が俺の人生を変えてくれるなんて思いもしていなかった。









.









.









「ハァ〜疲れた、、、。はい!到着!」







あの橋から5分ほど走った所にある寂れた商店街。


その1番端に立つ3階建てのビルの地下に連れてこられた






『ハァ…、ここに、何があるん?』





休みの日にランニングをしているからかそこまで息切れすることはなかったけど、あのスピードで休まずにここまで走りきったのはかなり疲れた







「んー?まぁついてきて!」






重たい扉には窓がなく、中がどうなってるかも分からない


…え、
俺、訳も分からずついてきたけどこれ大丈夫なん?









そんな俺の心中もつゆ知らず、彼女は重たい扉を開いた



「たーだいまーー!」

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作者名:きょん | 作成日時:2021年9月26日 22時

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