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‥
繋ぎ返してくれた手。
でも、顔を見ればわかる。不安そうにしていること。
「ほんとはさ、ずーっと山田の傍にいたいよ」
「…ん、」
「でも、俺は仕事あるし、山田は海の家離れたくないでしょ?」
「うん、」
「…だから、その辺のカップルよりは、会う回数すっげぇ少ねえけど、」
これ以上、山田の辛そうな顔を見たくなくて、
対面になって、山田を抱きしめる。
少し濡れを感じる胸の部分。
「でも、絶対山田のこと幸せにするから」
「…」
「だから、…」
「俺と、付き合ってくれませんか、」
俺の胸から顔を離した山田が、少し顔を上げて俺を見つめる。その目はすぐに涙を落とした。
そして、山田の口の動きに合わせて、
柔らかく、くしゃっと、細くなる。
「…はい、っ…」
ずっと俺が見たかった山田はこんな山田で。
山田が幸せそうに笑うと俺まで幸せになる。
嬉しかった。
俺らが今、同じ気持ちを通わせているのが。
同じこと思ってるのが、嬉しくて嬉しくて。
「…こっち来るの、面倒になったら、振ってもいいんだからね」
「付き合った途端そんなこと言うなよ、縁起悪い」
「へへ…ごめん、でも、…」
「…いーから。…もう、何も言うな、」
まだ少し不安そうにする山田の後頭部に手を当てて、また引き寄せる。
耳元で聞こえた、静かな「だいちゃん」という声。
きっと今、この空間は、世界のどこよりも甘い。
頭がやられそうなくらい、甘くて
心が啄まれそうなくらい、寂しくて切ない
でも、
「山田、」
目が合うと、照れたように笑う山田で
どんな空間も、幸せに包まれるんだ。
寂しさも、切なさも、全部山田が包み込む。
そんな山田を俺も包んでみたくて、
さらさらな、ノーセットの前髪を手で避けて、
その奥の真っ白な肌に、キスをした。
‥
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だんご(プロフ) - 綺麗な文章で素敵でした!arymちゃんと思いきや大好きなtkinも出てきて幸せでした。ありがとうございました! (2021年4月23日 14時) (レス) id: 75e27edd14 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 綺さん» ありがとうございます( ; ; )はい!待ってます♪ (2020年7月4日 10時) (レス) id: 8a2ad34e00 (このIDを非表示/違反報告)
綺(プロフ) - もえさん» 読んでいただいてありがとうございました!今のところ考えてないので何かいいお話が浮かべば書かせていただきますね! (2020年7月4日 6時) (レス) id: d4403408f6 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 完結おめでとうございます!もし宜しければ番外編等書いて欲しいです! (2020年7月4日 2時) (レス) id: 8a2ad34e00 (このIDを非表示/違反報告)
綺(プロフ) - 盟さん» こちらこそ読んでいただいてありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2020年7月3日 12時) (レス) id: d4403408f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺 | 作成日時:2020年6月4日 8時